福島復興サイクルロードレースシリーズ ツール・ド・ふくしま開幕 245キロ、2日間で走破へ
浜通りなど15市町村が舞台の福島復興サイクルロードレースシリーズ「ツール・ド・ふくしま2024」は14日、開幕した。初日は245キロを2日間で走る「ふくしま240」と「駅伝240」(3人一組)などレース4部門、タイムを競わないロングライド2部門の計6部門を繰り広げた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生から13年半、全国から集まった参加者が復興へと歩む被災地の現状を感じ、風情あるコースを駆け抜けた。 初日は県内をはじめ、北海道や沖縄県などから計約350人が参加した。ふくしま240や駅伝240はJヴィレッジ(楢葉・広野町)をスタート。新たなまちづくりが進む大熊、双葉、浪江各町を通り、大洲松川ライン(相馬市)を経て、釣師防災緑地公園(新地町)まで北上して初日の競技を終えた。「ふくしま80」(85キロ)の選手はJヴィレッジ、「ふくしま30」(35キロ)の参加者は福島ロボットテストフィールド(南相馬市)から、いずれも釣師防災緑地公園まで走り抜けた。
コースの多くは原発事故でかつて立ち入りもできなかった。選手は着実に復興が進んだ場所、いまだ手つかずのままの地の様子を肌で感じた。 ロングライドは「浜街道ライド110」(112キロ)と「ホープライド50」(51キロ)。浜街道ライドは「いわき七浜海道」など太平洋沿い、ホープライドは旧避難区域の双葉郡南部を走り、各地のエイドステーションで地域色豊かな食事などが振る舞われた。 大会は昨年、豪雨で中止となり、今回が初開催。避難区域が設定された12市町村と津波被災地のいわき、相馬、新地3市町の計15市町村がコース。震災、原発事故の伝承施設や観光地が点在し、復興の現状や地域の自然、歴史に触れられる。 コースの大部分は、県が東北で初めて国の指定を目指す「ナショナルサイクルルート(NCR)」の経路案と重なる。指定への機運を高め、自転車を生かした地域づくりを後押しする。 ■きょうレース4部門 一部道路で交通規制実施
最終日の15日はレース4部門を行う。ふくしま240と駅伝240の後半、起伏に富む阿武隈山系を駆ける「ふくしま160」(160キロ)は、午前6時に釣師防災緑地公園(新地町)をスタートする。今大会最短距離の「ふくしま20」(23キロ)は午前10時30分ごろ、大熊町役場本庁舎を出発する。 期間中、一部道路で交通規制を実施している。規制場所や時間、コースなどは大会ホームページで紹介している。問い合わせは福島民報社事業局。