【ナポリ（イタリア南部）＝黒瀬悦成】北大西洋条約機構（NATO）の国防相会合が17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国（G7）国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。 NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。 NATOのルッテ事務総長は16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。 ルッテ氏は4カ国との協力について「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」と指摘。日本との関係では「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している。中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」と述べた。 ウクライナをめぐる討議では、ゼレンスキー氏が16日に初公表したロシアに対する「戦勝計画」への対応などが主要議題となる。ルッテ氏は戦勝計画に関し「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」などが盛り込まれていることを念頭に「計画を全面的に支持するとは言えない」と語り、慎重姿勢を示した。