ドローンで医薬品配送 八幡平市で実証実験 岩手
医療と小型無人機、ドローンの新たな組み合わせです。通院が困難な高齢者などの自宅にドローンを使って薬を届ける実証実験が、岩手県八幡平市で行われました。東北初の取り組みだということです。 これは八幡平市が取り組んでいる、デジタル技術を活用した持続可能な地域づくりの一環として行われました。この日の実証実験には、八幡平市の職員と県内でドローン技術の普及活動を行っている団体が参加しました。 実験ではまず、医療アクセスの確保が課題となっている市内中山間部、切通地区の患者の家を看護師が訪問しました。そして、診療所の医師が、オンラインで診療し、処方した医薬品を物流用のドローンに乗せ、患者の家に向けて飛ばしました。 これまでドローンで物を運ぶには、地上で目視によって安全管理をする人員が必要でした。しかし、去年、規制が緩和され、目視がなくても、国が定める一定の安全対策を講じれば道路や鉄道の横断ができる制度が新たに設けられたことから、今回の実証実験が行われました。八幡平市によりますと、東北初の取り組みだということです。 医薬品を乗せたドローンは高速道路に沿って進み140メートルほどの高度でJR花輪線を横断したあと、患者の家に10分ほどで無事、薬を届けました。 患者「我々年寄りはこうゆうのがあれば楽して薬をもらえるのでありがたいです」 八幡平市 商工観光課 中軽米 真人 課長補佐 「過疎地だからこそ最先端の技術が必要になってきている。そしてこのような形を過疎地だからこそ、やることによって安心して住み続けていける仕掛けができることをもっと外部に発信していければと思っています」 八幡平市は、今後もデジタル技術を活用した遠隔治療とドローンによる配送を組み合わせ、新しい地域医療モデルの構築を目指したいと話しています。