国道での土砂崩落想定 飯田国道事務所が救助と道路復旧の合同訓練【長野県飯田市】
長野県の国土交通省飯田国道事務所は8日、三遠南信道飯喬道路の未開通区間で災害対応訓練を行った。飯田広域消防本部、飯田署と合同で実施し、各機関から計33人が参加。国道で地震による土砂崩落が発生したことを想定し、救助や道路復旧の手順や役割分担を確認した。 地震や大雨といった災害に備えて関係機関と連携強化しようと昨年から実施。昨年は木曽地域で開いたため、飯田下伊那地域では今回が初となる。 南海トラフ巨大地震により、国道153号で土砂崩落が発生したと想定。車両1台が土砂崩落に巻き込まれ、後続でも追突事故があった。 通報を受けて駆け付けた警察官が現場の状況を確認し、続いて到着した救急隊が負傷者を搬送。崩落に巻き込まれた車両は土砂に覆われていたため、救助隊がスコップで土砂を撤去し、救助器具でドアをこじ開けた。 救助完了後は、同事務所の職員が立ち往生した車両を道路脇に移動。ゴージャッキと呼ばれる車両移動用ローラーをタイヤに装着して車体を手で押した。 作業中は、同事務所と協定を結んでいる南信防災情報協議会がドローンを使って周辺の状況や二次被害の危険性を確認。各機関の情報共有を図るため、現場近くに合同の指揮本部を設置して対応した。 最後に重機で土砂を撤去し、作業員が道路を清掃。災害発生から約1時間で片側通行を可能とした。 同事務所の中川哲也所長は「機関ごとに持っている機材や技術が違うので、災害時は特長を生かした役割分担で対応することが重要。今後も訓練を重ねて連携強化を図っていきたい」と話していた。