名産品「七輪」の“窯”ほぼ全壊も再開へ「一歩一歩、階段を…」 珠洲市
日テレNEWS NNN
能登半島地震から19日目です。石川県珠洲市では多くの家屋が被害を受けています。名産品の七輪の製造会社も大きな被害を受けましたが、一歩ずつ前に踏み出しています。 ◇ 最大震度6強を観測し、津波の被害も出た石川県珠洲市。多くの家屋が倒壊し、市内の約半数、3000戸程度が全壊したとの見通しが示されています。 珠洲市の名産品「七輪」の製造会社も打撃を受けました。 鍵主工業 鍵主哲社長(57)(石川・珠洲市、19日) 「全体的に木造のものはほぼ傾いてしまってダメな状態で」 社長の鍵主哲さんは、地震があった元日は会社にいましたが、木造の事務所が倒壊し、がれきの下敷きになりました。 鍵主工業 鍵主哲社長(57) 「生き埋めになっている状態で。津波警報が鳴ったもので、これはやばいぞと。とにかく出ようと。ちょうど上の方を見たら屋根が割れていて隙間から出てきて」 しかし、近くに住んでいた鍵主さんの姉は… 鍵主工業 鍵主哲社長(57) 「旦那さんと姉は下敷きになって亡くなりました。なかなかゆっくり考えている暇もない」 さらに、60年以上使ってきた窯が地震でほぼ全壊しました。 鍵主工業 鍵主哲社長(57) 「トンネル形の窯で、ずっとここまで天井が抜けてしまっている状態」 一度は再開をあきらめかけたといいます。 鍵主工業 鍵主哲社長(57) 「(この窯は)まだ全然しっかりしていて全く問題なく使えると思うので」 1年前に作った試験用の窯が、唯一無事だったといいます。 鍵主工業 鍵主哲社長(57) 「これ(窯)をとっかかりにしてやっていけば、なんとかなるなと自分に言い聞かせて。それでも一歩一歩、間違いなく階段を上がっていこうと思います」 ◇ 輪島市役所では被災者の生活再建に向けた動きも始まっています。 男性 「ここまで一応書いたんですけど」 り災証明書の受付です。男性は輪島朝市の大規模火災で家が焼失したため、保険や補助金などの申請に必要となる、り災証明書の申請にきていました。 男性 「これが第一歩だと思います」 輪島朝市の近くでは19日、り災証明書の発行に必要な調査が行われました。市の職員が建物の傾きやひび割れなどを確認し、市内の約3万戸を全壊から一部損壊まで振り分けます。 いまだ困難な状況が続く被災地。それでも復興に向けた歩みが少しずつ始まっています。