小林製薬の紅麹サプリ、国の調査でもプベルル酸検出 他の成分も複数
小林製薬(大阪市)が販売した紅こうじのサプリメントの摂取が原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で、厚生労働省は19日、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)の調査で、同社から提供を受けた原料のサンプルから青カビが作り出す天然化合物「プベルル酸」が検出されたと発表した。プベルル酸のほかにも、本来サプリには入っていないはずの複数の化合物が見つかった。ただ、健康被害との関連については現段階では不明だとした。 【リスト】小林製薬が紅こうじを供給していた173社 厚労省によると、2023年6~8月に製造された健康被害が報告されている原料と、健康被害が確認されていない原料を比較した。その結果、健康被害の報告されている原料から、小林製薬の調査でも確認しているプベルル酸と、複数の化合物が検出された。 プベルル酸以外は物質名を特定できておらず、厚労省は化合物の数も公表しなかった。今後、化合物のデータベースと照合をしながら、特定を進めるという。 厚労省は調査を急ぐ方針だが「サンプル量が限られ(検出作業が)失敗すると時間が無駄になる。慎重に進めており、かなりの時間を要する」と説明した。プベルル酸などが原料に混入した経緯についても、調査方法を検討中だとした。 プベルル酸などの人体への影響について調べる「毒性試験」についても今後、本格化させるとみられる。【松本光樹、肥沼直寛、奥山はるな】