東大合格者語る「答え見て解く」と成績上昇のなぜ 社会人でも超役立つ「コスパ重視」の勉強法
小論文や長い英作文でも同じように活用できます。全文を書く代わりに「序論→本論→結論」までの流れを箇条書きでまとめてしまうのです。 例えば「電車やバスに優先席は必要か」というテーマなら、 ・配慮が必要な人がいる ・自分から言い出せない人もいる ・思いやりが大切だと気づくきっかけになる →だからあったほうがいい といった要領で、大まかな構成ができたら終わりにするのです。これならば忙しいときでも、時間をかけずに、多くの問題を解くことが可能でしょう。
また、漫画にあったように、計算が必要な問題なら式だけ書く、あるいは答えにたどり着くまでの流れや導入部分だけを書いて済ませてしまうのもアリです。 ■模範解答を参考に、答え方や考え方を身につける よく勉強においては「インプットよりアウトプットのほうが大事」と言われますが、何も知識や型がないうちはアウトプットのしようがありません。 最初のうちは模範解答を参考にしながら演習を繰り返し、答え方や考え方のパターンを身につけるほうが、効率がいいでしょう。
解き始めた段階で間違った方向にいってしまうと、時間をかけて解答を仕上げても無駄が大きいからです。勉強を始めたばかりのころや、記述式の問題に慣れていないうちは、時短勉強法は非常にタイパがいいと言えます。 もちろんこの勉強法だけをやっていては、本当の力はつきにくいので、例えば平日に時短勉強法をやって、休日に改めて時間をかけてじっくり取り組む、といった活用法も考えられます。 さらに、このやり方は勉強のやる気の維持にもつながります。誰しも疲れていたり、忙しかったりすると、なかなか勉強に向かう気持ちになれないときもあるでしょう。
特に難しい問題や時間のかかる資格試験の過去問などを解かなければいけないときは、かなり気合いが必要になりますよね。そんなときでも、時短勉強法なら、解答にかける時間や手間が省けるため、普段より軽い気持ちで勉強に向かいやすくなるのです。 これは私個人の経験ですが、東大受験本番の直前期になると、毎年季節性のうつ病の影響で、なかなか勉強に向かうことができませんでした。東大入試の過去問をフルに解くと1教科で2~3時間はかかるので、非常に気が重かったのです。
■タイパだけではなく勉強習慣の維持にも そこで時短勉強法に切り替えて、勉強のハードルを下げたら、なんとか机に向かえて最低限の勘と実力が維持できました。 時短勉強法はタイパの向上だけでなく、勉強の習慣の維持にも一役買うことができるのです。 普段「勉強し始めるまでが長い」と悩む人も、これなら私と同じように、机に向かう意欲が幾分湧きやすくなるのではないでしょうか。 このように、時短勉強法は場面や目的に応じてさまざまに活用できます。効率よく勉強を進めたいという人は、ぜひ試してみてください。
青戸 一之 :東大卒講師・ドラゴン桜noteマガジン編集長