定例の記者会見をする連合の芳野友子会長＝１８日午後、東京都千代田区

　連合は18日、中央執行委員会を開き、2025年春闘で「5％以上」の賃上げを要求する基本構想をまとめた。 　物価高が家計を圧迫する中、高水準だった前年の目標を維持し、賃上げの流れの定着を目指す。中小労働組合は全体よりも高い「6％以上」の賃上げを掲げ、企業規模による格差の是正を図る。 　連合は2％分の定期昇給の確保を前提に、従業員の基本給を底上げするベースアップ（ベア）分でも3％以上を要求する。格差是正のため、中小はさらに1％以上分を上乗せし、金額ベースで1万8000円以上の賃上げを目安とする。基本構想に基づいて取りまとめる春闘方針は11月の中央委員会で正式決定する。 　記者会見した連合の芳野友子会長は「5％以上の賃上げを着実に継続していくことが非常に大事だ」と説明。目標は前年から維持するが、傘下労組に対し、「24年春闘を上回るような要求案を設定してほしい」と呼び掛けた。 　基本構想では、24年春闘で高い賃上げが実現した一方、「生活が向上したと実感している人は少数にとどまり、個人消費が低迷している」と強調。「賃上げの裾野を広げていく必要がある」と訴えた。 　連合の集計によると、24年春闘の賃上げ率の加重平均は全体で5．10％と33年ぶりの高水準を実現。組合員数が300人未満の中小組合は4．45％にとどまっており、基本構想でも賃上げ費用分の価格転嫁や適正取引の取り組み強化を明記している。