教員になりたい「吃音」の若者が現役教師と交流 「子供たちが安心して学校生活を送ってもらいたい」
■「ゆっくりでいい」はプレッシャーになるときも、安心するときも 「相手に聞くことが大事」
この日は、吃音のある教員志望の若者たちと、現役の先生たちによるグループワークも行われました。 【現役の先生】「『ゆっくりでいい』っていうのは嫌?」 【吃音のある教員志望の人】「嫌じゃないと思うんですけど、本人は落ち着いてる…んですよ。焦ってることなくて…落ち着いてて、めっちゃ、落ち着いてるんですけど、言葉が出ないから、ゆっくりでいいよ”っていうのはちょっと違うのかなと」 【現役の先生】「状況が違うから、『気持ちを分かってもらえへん』になるんやね」 「ゆっくりでいい」という言葉が、反対にプレッシャーを与えてしまうのではという意見もあれば…。
【藤原実緒さん(21)】「商品の受け取りに行ったんですけど、注文番号の藤原ですって言いたかったんですけど、全然言えなくて、ずっと黙ってしまったので、店員さんが『ゆっくりで大丈夫です』って言ってくださって、店員さんも全然イライラしてないって思って、私自身すごくうれしかった」 【現役の先生】「『ゆっくりで大丈夫』って言われるのも、時と場合によるっていう感じなんですね」 接し方は、人それぞれのようです。
【参加した教員】「自分が配慮してると思ってたことが、実際は違ったりとか、気を遣っているつもりで、傷つけてたということもある。これから一層、聞いてあげることが大事」
自身も子どものころに吃音の症状があったという八尾市の教育長は…。 【八尾市 浦上弘明教育長】「人の人権を尊重する、そういう気持ちをしっかり子供たちに学んでもらう。そういう気持ちをしっかり持つような先生に、あの子らはなれると思う。なんでかと言ったら、自分がそういうハンデを持ってるから。だから、そういう方ほど先生になってほしい」
■プレゼンを終えて…「ずっと教師を目指します」
「ありがとうございました」 今回、現役の先生たちの前で初めてプレゼンをした藤原さん。 緊張のあまり、いつもより症状が強く出てしまったことを悔しがっていました。 【藤原実緒さん(21)】「本当に教師になれるのかっていう思いが、全くないというわけではないんですけど、当事者である自分が教師になることで、当事者にしか見えないものであったりとか、持てない視点とかもあるかなと思うので、当事者である自分が教師になることが意味があるということを信じて、ずっと教師を目指しています」 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月5日放送)
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