工夫、改良重ねて全国銀賞 最上地域の高校生「WATS」開発、金山産落花生のロールケーキ
最上地域の高校生による地域活動チーム・WATS(ワッツ)が開発したロールケーキがビジネスコンテスト「全国高校生SBP交流フェア」で銀賞と審査員特別賞を獲得した。金山町産落花生の食感と香りが特徴で、本県の加工食品を顕彰する「山形のうまいもの ファインフードコンテスト」でも優秀賞を獲得。メンバーは「何度も改良を重ねたことが結果に表れてうれしい」と達成感をにじませた。 ロールケーキは「ろーるなっつ」として新庄市の菓子店「おかしの家」(鈴木康志店長)が1個350円で3月から販売している。同店や新庄信用金庫(井上洋一郎理事長)の協力を得て昨年から計7回の試作を重ね、完成させた。資金面では日本財団(東京)の「わがまち基金」の助成を受けた。 SBP交流フェアは未来の大人応援プロジェクト(三重県、岸川政之代表理事)が主催し、9回目。全国から25団体が参加し、7月27、28日にオンラインによる発表が行われた。WATSからは新庄北高3年の笹謹利(のりと)さん(18)と同2年星七菜子さん(17)、新庄南高1年の山田未遥(みはる)さん(16)の3人が出演した。
落花生の食感と香りを生かそうとバタークリームに落花生、生地に黒糖を練り込んだことや、販売店から1個当たり50円の手数料を得て活動費に充てる工夫も紹介。落花生を素材にした点や、異なる高校の生徒が連携した活動が評価された。 やまがた食産業クラスター競技会主催のファインフードコンテストは8月に審査会が開かれ、落花生の食感とオリジナリティーが好評だった。コンテストに出品した鈴木店長は「WATSとの結び付きのおかげで受賞できた」と話す。 両コンテストの受賞報告会が先月19日、新庄市の新庄信用金庫本店で開かれた。星さんと山田さんが鈴木店長と共に出席し、井上理事長は「努力が花開き、応援団としてうれしく思う」とたたえた。山田さん、星さんは「半年以上かけ、何回も試作した成果が表れてうれしい」「金山産落花生の良さを伝えるために苦心した先輩たちの思いも引き継ぎ、発表した」と喜びを語っていた。