台風10号になぎ倒された樹齢3000年の弥生杉「現状保存」へ 森林環境教育や観光資源に活用 年度内に立ち入り規制を解除
屋久島森林管理署と屋久島森林生態系保全センターは、8月の台風10号で倒れた屋久島の推定樹齢3000年「弥生杉」について、現状のまま保存する方針を9日、発表した。倒伏後の姿や植生の変化を伝え、森林環境教育や観光資源に役立てるため。周辺の立ち入り規制は年度内に解除する予定。 【写真】折れる前の弥生杉(屋久島町提供)
10月に屋久島町や鹿児島県、観光関係者らで検討会を立ち上げ、現地調査などを踏まえて判断した。「著しい樹勢衰退が見受けられていた。樹木の約半分が周囲より突出し、風の影響を受けやすく、台風に伴う局地的な強風で倒伏に至った」と結論付けた。 弥生杉は観光地の白谷雲水峡の散策ルートに立ち、高さ約26メートル、幹回り約8メートルあった。現在は安全確保や植生保護の観点から周辺の立ち入りを規制している。今後、遊歩道の再整備、看板設置などを進める。 屋久島観光協会ガイド部会の中馬慎一郎会長は「森の一部として残していくことに賛同する。弥生杉の見せ方、歴史をどう伝えていくかを官民一体で考えたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島