世界文化賞 台湾人として初受賞のアン・リー監督「誇りに思う」
(台北中央社)世界の優れた芸術家に贈られる「高松宮殿下記念世界文化賞」の演劇・映像部門で受賞した映画監督のアン・リー(李安)さんの祝賀会が20日、東京都内のホテルで開かれた。リー監督は「台湾人として初めて受賞し、とてもうれしい」、「自分を育んでくれた台湾、そして皆さんのために誇りに思う」と喜びを語った。 祝賀会を主催した台北駐日経済文化代表処の李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)はリー監督について、「台南で生まれ、台湾で世界を見る目を養い、どこで映画を作ろうとも、国民に栄光をもたらしてくれる」と称賛。また2018年から4年連続で映画の祭典「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奬)の実行委員会主席を務め、映像業界向け特別講座「金馬映画マスタークラス」を開いて後進の支援に全力を注いでいることなどに触れ、リー監督の台湾への貢献を紹介した。 リー監督は、世界文化賞を主催する日本美術協会は約半年かけて準備を進めていたとして、日本人の仕事の細やかさに感嘆したと強調。ここ数日は芸術に携わる者が尊重されている感覚があったと語った。 またリー監督の育った時代の台湾では、学校や保護者、社会が芸術に携わったり映画を制作したりすることに否定的だったとしながらも、今回重視されたことはとても良い励ましだと語り、日本美術協会や日本の友人らに感謝を示した。 祝賀会には俳優のリン・チーリン(林志玲)さんや日本美術協会の日枝久会長、映画監督の是枝裕和さんらが出席。リー監督は親交の深い是枝監督が長期にわたって金馬奬やマスタークラスなどに協力していることにも感謝の言葉を伝えた。 (戴雅真、楊明珠/編集:齊藤啓介)