「ホームレスは助けられない」生活保護の不正拒否…路上生活者に社会は厳しすぎる?排除を目指す〝ゼロ作戦〟も
ホームレス経験のある作家の赤松利市氏は「申請の知識はなかった」と振り返る。58歳から約4年間、路上生活をしていたが、当時は行政からの支援がなく、受けようとしても住所がないために支援を受けられなかった。 松本氏は「本当は皆が知識を持っている方がいい」としつつも、「こんな状況では受給できないと思う人が非常に多く、諦めてしまっているのも課題だ」と指摘する。
■路上生活の権利どう考える?排除を目指す〝ゼロ作戦〟も
ホームレス生活者について、松本氏は「ゼロになる必要はない」との立場だ。『今のままがいい』と思う人の権利を否定するつもりはないが、なりたくないのに、なっている人がいる状態は是正したい」。昨今では、横たわりにくい“排除ベンチ”の設置も話題だ。「排除ではなく、どうすれば生活しやすくなるか、排除せずに生活できるのかを一緒に考えたい」とした。 その上で、見かけた際の行動に疑問を投げかける。「多くの人は通り過ぎたり、嫌そうな顔をしたりするが、それ自体があまり良くない。 “あまり見たくないもの”とフタをする現状から変えていきたい。『こんにちは』と声をかけながら、生活を把握できれば一番いい」。その上で大切なのが「そこに人が居るという認識」だ。「夜回り活動をしていると、通行人が白い目で見てくる。それが当事者たちが普段受けている目だと思う」と主張する。 藪。さんも「水をかけられたり、ゴミ捨てられたり、モノを盗まれたりは、割とよくあった」と実体験を語る。「公共スペースで生活していることには、後ろめたさもある。ちょっと借りて、寝させてもらっていますという感覚。荷物も広げず、まわりの邪魔にならないようにしている」。 一度ホームレス生活になると、復帰までは「時間がかかる人もいる」と、松本氏は説明する。「8年かかって、家を借りた人がいる。自分の体調や家族の状況が変化して、ようやく借りられた。『明日から借りよう』となる人ばかりではない。その理由には『新しいことをする気力がわかない』『病気で何もできない』などがあり、精神的な疾患を抱えている方も多い」。 ホームレスと生活保護、どちらも経験した藪。さんには、どちらが合っていたのか。「両方良かった。どちらかを選べないからこそ、生活保護受給者と路上生活者の両方がいるのではないか」と私見を述べた。 (『ABEMA Prime』より)