【フィギュア】手負いの“あずしん”初めてのGPシリーズ笑顔締め「MVPは梓沙ちゃん」
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯>◇9日◇東京・代々木第1体育館◇アイスダンス・フリーダンス(FD) 結成2季目の「あずしん」こと田中梓沙(あずさ、19)西山真瑚(しんご、22)組(オリエンタルバイオ)が、初めてのGPシリーズを笑顔で締めくくった。 田中が今夏から肋骨(ろっこつ)の負傷を抱える中、フリーダンス92・12点の合計151・27点。出場10組中10位にとどまったが、「フリーまで滑りきれるか不安も大きかったが、無事に滑り終えてホッとしています」と安堵(あんど)の表情でうなずき合った。 10月末に行われた前戦の東日本選手権(青森)でレベル2だった冒頭のステップシークエンスは、耐えてともにレベル3を獲得。「僕の中での昨日今日のMVPは梓沙ちゃん。本当にありがとうの気持ちでいっぱいです」と、西山。最後まで戦い抜いたパートナーに最高の賛辞を送った。 東日本選手権以降、2人で氷上に立つことができなかった。コーチと何度も話し合った末に、拠点のカナダから帰国を決意。この日の公式練習で約2週間ぶりにフリーの曲かけを行ったというほどギリギリの状態だったが、「練習できていなかった中でまとめた演技ができたのは新しい学び」と西山。田中も「今後に生きてくると思う」と声を弾ませた。 次戦は、12月19~22日に大阪で開催される全日本選手権。この経験を、今後への糧にする。西山は「今度こそ万全な状態で2人とも整えて、今度こそ『やったよ』って言える点数と演技ができたら」と力を込めた。 優勝は世界選手権2連覇中のマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組(米国)で合計215・95点だった。