【一度は乗りたい!】特別列車「スペーシアX」で味わう“84分間の非日常”と人気席「コックピットラウンジ」の居心地とは?
●日本の旅には特別列車がよく似合う
「栃木の鹿沼に新しくオープンするキャンプ場を取材してきて」という、編集部の司令を受け乗り込んだ「SPACIA X(スペーシアX)」が浅草駅を出発したのが午前9:50。目的地の新鹿沼駅までの84分間で味わった、いま話題の特別列車の乗り心地をリポートします! 【画像】一度は乗りたい! スイートはどんな感じ? スペーシアXの魅力を画像で見る(27枚)
「スペーシアX」は、1929年から浅草と日光・鬼怒川エリアをつないできた東武鉄道が、2023年7月15日より運行を開始した新型特急車両。浅草を起点とし、終点は東武日光駅もしくは東武鬼怒川駅の2箇所となります。 筆者が乗ったのは、浅草発東武日光行き。しかも、先頭車両を一両丸ごとラウンジスタイル化したくつろぎの人気席の「コックピットラウンジ」とあって、出発前からテンションは最高潮。運転席のすぐ後ろの席に座り出発を待ちます。 従来型の100系「スペーシア」から進化したN100系の車両で構成される「スペーシアX」のコンセプトは、「Connect&Updatable」。名前に冠された“X”は、新型車両による旅の体験(Experience)や未知の可能性(X)を意味するのだそう。 座席のバリエーションはコックピットスイート(7席)、コンパートメント(16席)、コックピットラウンジ(20席)、プレミアムシート(35席)、ボックスシート(4席)、スタンダードシート(130席)と多彩で、総座席数は212となります。 そのスタイルは「スペーシア」が築き上げてきた伝統を継承しながらも、より上質なフラッグシップ特急を目指し製作された車両なのだそうで、車体の内外には、沿線地域の文化的な色彩や造形を取り入れたデザインを採用しているのも見どころです。
●車窓の風景は浅草駅の出発から必見!
出発時には運転手さんの挨拶が行われます。そして、浅草駅を出ると、列車はすぐに隅田川をわたります。取材当日は桜の時期だったので川べりの景色は最高。 都内は東京スカイツリーのお膝もと「とうきょうスカイツリー駅」、「北千住駅」に停車。その後は埼玉の「春日部駅」、栃木に入り「栃木駅」に停まりながら、心地よい速度感で関東平野の田園風景の中をスムーズに走り抜けます。 ここで、今回乗車した「コックピットラウンジ」を紹介します。現存する日本最古のリゾートホテルである日光金谷ホテルなどがモチーフとのことで、気品と落ち着きを感じさせる空間に仕上がっています。 利用は2名から可能で、座席は1人用、2人用、4人用の三種類。明り取りの窓が大きく取られた運転席越しに眺める前方の視界も良好で、“時を超えるラウンジ”というテーマを体現しています。 スペーシアXの気になる料金は運賃のほか、人数分のスタンダードシート特急料金と特別座席料(スタンダードシートとプレミアムシートを除く)が必用となります。 例えば、浅草駅から終点の鬼怒川温泉駅までの場合は、コックピットラウンジの1人用席を利用すると片道で合計3840円(運賃:1400円、スタンダード特急料金:1940円、特別座席料金:500円)と、意外なほどリーズナブルなのも嬉しいポイントです。