「存続のためには石井さんに頼るしか…」崖っぷちの『K-1』創始者・石井和義館長復帰の“裏事情”
K-1の創始者で初代プロデューサーである石井和義氏(70・正道会館館長)がアドバイザーとして戻ってくることが決まった。 【スクープ】すごい!K-1ファイター皇治と西山茉希の路チュー決定的写真 1月19日、都内で3月20日に開催される『K-1 WORLD MAX』の記者会見場に、石井氏はカルロス菊田K-1プロデューサーと共に登壇。メディアの前に久々に姿を見せた彼の頭髪は幾分白くなり時の流れを感じさせたが、健康的に焼けた顔に眼光鋭い表情は昔の面影のままだった。 「自分が立ち上げたK-1なのでK-1が世界のK-1にもう一度戻ってほしいとの想いがあります。世界のK-1になれるような、そうなるためにいろいろアドバイスをしていきたいと思っています」 そう意気込みを語った。この決定に、格闘技ジムを経営するK-1元関係者は、 「存続のためには石井館長に頼るしかなかったのでしょう。正直、彼しかいなかったのか…という感じです」 と、心境は複雑なようだ。石井氏は’80年に所属していた極真会館から独立し、新日本空手道連盟 正道会館を設立。のちに『K-1』創世記のスターとなる佐竹雅昭や武蔵を輩出している。’93年に、 《空手やキックボクシングなどの打撃系立ち技格闘技の世界一の最強の格闘者を決める大会を行う》 というコンセプトを元に空手、キックボクシング、カンフー、拳法などの立ち技格闘技のナンバー1を決める大会を行うことを目的としてK-1を創設。’93年4月30日に第1回大会『K-1 GRAN PRIX ’93 ~10万ドル争奪格闘技世界最強トーナメント~』が開催され、無差別級の8選手によるトーナメントが行われた。 「そこからの10年間はいわゆる“格闘技ブーム”を牽引。アンディ・フグやピーター・アーツ、ミルコ・クロコップなど多くの重量級スターを生み出し、’02年からはミドル級(-70キロ)部門の『K-1WORLD MAX』シリーズを立ち上げ、魔裟斗やブアカーオなどがスター選手になりました。 同年12月に東京ドームで開催された『K-1 WORLD GP 2002 決勝戦』では74500人の観客動員を記録しています。世界中からスポンサーを集めるネットワークや、有力選手を呼び寄せる人脈は全て石井氏の力だと言われています」(格闘技雑誌編集者) しかし、’02年に石井氏の2年間で5億円の所得隠しが発覚。’03年2月、1億7千万円(法人税法違反容疑)の脱税及び証拠隠滅教唆容疑で逮捕される。 「巨額の所得隠しについて、石井氏は裏ガネ作りを認め、『選手の高額ギャラ支払いに充てた』などと説明しました。全部がそうした用途に使われていたわけではないでしょうが、彼が外国人選手などに、数千万円の現金をポンポン渡していたのは事実です」(当時の東京地検検事) K-1を一代で大きくしたとはいえ、’08年に出所後も第一線から長らく離れていた人物に頼らざるを得ないとは…。それほど、K-1は存続の危機にあったのだろうか。前出のK-1元関係者は、 「ここ数年のK-1は武尊や安保瑠輝也といったスター選手に頼り切りでした。彼ら以外の試合はどちらかというとエンタメ寄りで、その間、新人の発掘も怠っていた。そのスターたちに見切りをつけられ、彼らを失ったK-1は世代交代に失敗。 有望な海外選手は全てRIZINやONEに取られ、呼ぶこともできません。そこをできる人材を探していたら、必ず石井氏に頼らざるを得なくなるのです。だから戻ってもらうしかなかったようです。コンプライアンス的にどうなのかという疑問が残りますが、今は地上波の中継などもありませんから、問題視されなかったようです」 と事情を話してくれた。 SNSには、 《何をいまさら》 《20年前とは時代も観客の目も違うので、対応できないのでは?》 という声もあるが、石井氏は、 「本物の格闘技を見せたい」 と思いでK-1を作り、先日の会見でも、 「世界のK-1になれるような」 などと語っている。 2月8日の会見で、3月20日の大会の優勝賞金を問われると、 「1億くらいないとダメでしょう」 と、切り出し、 「お金もそうだし、最初のチャンピオンということで世界的に名前が広がる。そうすると、ファイトマネーがいきなり10倍ぐらいになる。そこがファイターにとっての一番のメリットだと思います」 と意気揚々と語ったが、今の石井氏に有望選手、その資金を集められるほどの力があるのか疑問だが…。“原点回帰”という選択をした新生K-1は、果たして吉と出るか、凶と出るか。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit
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