県内で猛威振るうインフルエンザ、新学期始まり拡大懸念 すぐそこに受験シーズン 学校関係者らは予防にぴりぴり
鹿児島県内で昨年末にかけインフルエンザ患者数が1999年の統計開始以降で最多となった。9日に発表された1医療機関当たりの報告数(12月23~29日)は96.40人で、全国2番目に多かった。新学期が始まり、大学入学共通テストも目前に迫る中、拡大を心配する声が聞かれる。 【写真】インフルエンザの患者数推移
「元日の当番医だった病院から120人が受診し、70人がインフルエンザA型だったと聞いた」。出水郡医師会の來仙隆洋会長(63)は話す。「学校が始まり、子どもからさらに広がる可能性もある」と指摘する。 薩摩川内市の川内中央中(580人)は、8日の始業式を体育館ではなく各教室でのリモート方式にした。辺木睦博教頭は「年末には学級閉鎖もあって心配したが、今のところ落ち着いている。換気や手洗いなど対策を続ける」と語る。 18、19日は大学入学共通テストが控える。3年生63人が受験を予定する鹿児島市の錦江湾高の大野康博教頭は「進路に関わる大事な時期。感染が広がらなければいいが」と警戒する。 鹿児島高等予備校(同市)の秋元達也校長(62)は「県内でここまで感染が広がるとは思っていなかった」と話す。同校では消毒や換気を徹底。生徒も昨年10月ごろからマスクを着用するなど対策する。「生徒たちは新型コロナを経験しており、感染対策意識が高い。必死に勉強してきたみんなの夢をかなえてあげたい」と気をもむ。
例年は春先にかけてインフルエンザB型が流行する。感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「新学期が始まり再び流行する可能性がある。新型コロナも新たな変異株で増えつつある。ワクチン接種など引き続き警戒が必要だ」と訴えている。
南日本新聞 | 鹿児島