【解説】自民党案 どう修正? 難航する修正協議の行方は… 政治資金規正法 改正案
■公明党が「軟化」したワケ…自民党からのプレッシャーも?
鈴江キャスター 「それでは2つ目のポイントです。同じ与党の公明党は賛成に軟化したということですが、それはなぜなんでしょうか?」 天野記者 「ある公明党議員は『修正案に主張が一部でも盛り込まれている部分があるので評価した』と話しています。公明党は当初は自民党案に反発していましたが、態度を変えた背景には、ある自民党幹部は『何のための連立政権なんだ』と話すなど、自民党から連立のパートナーの公明党へのプレッシャーもあったとみられます」 「公明党は最終的には賛成に回る見通しですが、依然として自民党案では不十分という声は根強く残っています」
■会期内に法案成立する見通しは? 野党の分断狙う自民党
鈴江キャスター 「そしてポイント3つ目ですが、会期末は来月23日に迫っていますが、岸田首相は今の国会で必ず法案を成立させると言っています。実際に成立する見通しはあるのでしょうか?」 天野記者 「自民党は、なるべくスムーズに成立までの道筋をつけるために、今週中にも衆議院で法案を採決したい考えです。ただ、最も強硬に反対しているのは立憲民主党です」 「そこで自民党が狙っているのは、野党の分断です」 「具体的な戦略としては、日本維新の会の主張を聞く場をたびたび設けたり、修正案に国民民主党が主張する法律違反があれば政党交付金を減額する仕組みを盛り込んだりもしました」 「なんとか一部の野党の協力を得たいところですが、ある維新幹部は『今回は交渉の余地がない』と突き放し、国民民主党の幹部1人も『小手先の交渉をされても応じることはできない』と述べるなど、隔たりは埋まっていません」 「野党側の理解を得ないまま採決に踏み切れば、野党側がさらに反発するのは必至です。自民党が、規正法改正案の中身はもちろん、採決に向けた進め方についても、野党の理解をどこまで得られるのかが焦点となります」