シナー、自己最高2位より「準決勝と決勝で素晴らしいプレーができたことが大きい」

今季3勝目を挙げたヤニック・シナー（Photo by Getty Images）

現地3月31日、男子ツアー「マイアミ・オープン」（アメリカ・マイアミ／ATPマスターズ1000）シングルス決勝が行われ、第2シードのヤニック・シナー（イタリア／世界ランク3位）が、第11シードのグリゴール・ディミトロフ（ブルガリア／同12位）を6-3、6-1と圧倒し大会初優勝。今季3勝目を挙げるとともに、自己最高ランクとなる2位に浮上することが決まった。 【動画】シナーがディミトロフを撃破し早くも今季3勝目! マッチハイライト 今季初戦となった全豪オープンでグランドスラム初制覇を成し遂げると、続くATP500ロッテルダムでもタイトルを獲得。前週行われたATPマスターズ1000インディアンウェルズはベスト4に終わり連勝はストップしたが、今大会も順調に勝利を重ねている。 3回戦で第25シードのタロン・フリークスポール（オランダ／同26位）に1セット奪われた以外はすべてストレート勝ち。準決勝では全豪オープン決勝で戦った前年覇者のダニール・メドベデフ（同4位）に1度もブレークされないまま6-1、6-2と圧倒した。 同大会3度目となった決勝はカルロス・アルカラス（スペイン／同2位）やアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ／同5位）を下して勝ち上がったディミトロフ。シナーは先にピンチを迎えたが、ミスを引き出してしのぐと続く第5ゲームで好機を逃すことなく最初のブレークに成功する。リードして以降も高い運動量で返球し続けて相手のミスを引き出す。第9ゲームでは追い込まれてからバックハンドのパッシングショットを決めてブレークし、6-3で第1セットを先取した。 試合を有利に運ぶため大きな1セットを奪ったシナーは、第2セットもコートを縦横無尽に駆け回る。ストローク戦でディミトロフが的確にコースを変えてきたが、それにもしっかりついていったシナー。1-1から2度のブレークを含む5ゲーム連取で一気に試合を決めた。 試合後、シナーは「（自己最高の）2位になることは僕にとって意味のあることだけれど、それ以上に準決勝と決勝で素晴らしいプレーができたことが大きい。僕は普通の家庭で父も母もまだ働いている。僕にとってスポーツと人生は違うものなんだ。このポジションにいることは幸せだよ。大会で優勝するのは特別な日だ。僕にとって大きな意味があるよ」と喜んだ。 ATPマスターズ1000でのタイトルは昨年8月のトロント大会以来2つ目のタイトル。早くも今季3勝目を挙げ、「こんなことを予想していなかったと言えば嘘になる」と昨年末にノバク・ジョコビッチ（セルビア／同1位）に2度勝ったことなどで得た手応えもあってか、最高の結果を残す準備はできていたと言う。そして、これからは自身が苦戦しているクレーコートでの戦いが始まる。「去年から多くのことを学んだし、より良いプレーができるようになった」と戦い方を学びつつあるとし、いい形で全仏オープンにつなげたいとした。