初回から衝撃展開…反町隆史の怪演に度肝を抜かれたワケ。『オクラ~迷宮入り事件捜査~』第1話考察レビュー
急転直下の胸糞展開
本作のラストが、意外な展開を見せたのも特筆すべき点だ。女子小学生殺人事件については、言葉を選ばずにいうと容疑者が罪を認めず死亡する“胸糞”な終幕。完全決着の難しさを、視聴者に知らしめることになった。 「被疑者死亡のまま書類送検」で一旦は閉められたものの、この事件にはいくつかの疑問が残っていた。不審な点を不破が調べると、容疑者から届いたメールも、急に遺体発見現場で見つかった新証拠も、すべてが飛鷹の自作自演だったことが発覚するのだ。不破に真相を突きつけられた飛鷹は、ただ意味深な表情を浮かべるだけである。 まさに急転直下だが、脚本を担当する武藤将吾の作品は『3年A組―今から皆さんは、人質ですー』(2019、日本テレビ系)や『ニッポンノワールー刑事Yの反乱―』(2019、日本テレビ系)など、強烈な超展開が巻き起こる作風が多い。 本作のストーリーもその作風に沿われたものであり、垣間見えた武藤将吾節に思わず唸ったファンも少なくないはずだ。バックボーンに不穏な“何か”を背負う飛鷹と不破。それぞれの過去が語られるとき、また新たな驚きが私たちを待ち受けていることだろう。 【著者プロフィール:西本沙織】 1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
西本沙織