2025年春夏シーズンの5大トレンド ランジェリーや装飾性、機能美がカギに
3. 大胆なフリンジ使い
裾で軽やかに揺れるフリンジといえば春夏シーズンでおなじみの装飾だが、今シーズンは目を引くアクセントとして大活躍。「ディオール」は、古代ギリシャ神話に登場する女戦士アマゾーン風の女性像をダイナミックに表現。たすき掛けにしたフリンジが力強さを演出した。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」ではレザーフリンジのヘッドピースが登場し、ブランドが得意とするレザー加工のテクニックをアピール。「グッチ」のコートは、オリーブグリーンのフリンジがあしらわれ、まるでオーロラのようなグラデーションを作り出す。「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」はメタリックに輝くフリンジをトップスにアレンジし、肌を軽やかに露出させた。「マックイーン」は頭から爪先まで全てをシルバーのスパングルやビジューで覆い尽くす、ゴージャスなドレススタイルを披露。アイルランドに伝わる妖精"バンシー"をミステリアスに表現した。
4. 彫刻的シルエット
バルーンシルエットといった立体的な構造も、今シーズンの特徴。「ロエベ(LOEWE)」はクリノリン(1800年代に流行した、スカートを大きく広げるために着用する下着)に着目し、輪状のワイヤーで形作ったドレスを発表。まるで宙に浮かび上がるような軽さと独特のフォルムが斬新だ。「ステラ マッカートニー」は綿菓子のようなボリュームトップスをラフなデニムと合わせ、絶妙なバランスを生み出した。「ボッテガ・ヴェネタ」は生地を何重にも重ねたプリーツスカートとトップスのドレープがコントラストを描く。「バリー(BALLY)」はペプラムジャケットやスカート、カウベルのシェイプを模したコクーンスカートなどを提案。グッゲンハイム美術館でショーを開催した「アライア(ALAIA)」は起毛素材で身体をスパイラルに包み込むコートを発表。いずれも彫刻や建築のような独特の形状で身体を包み、固定観念に捉われない服作りへのアプローチを示した。