日本生まれの問題解決メソッド「5つのなぜ」実践法。失敗の根本的原因を突き止め、2度目をなくせ
次の行動を計画することは、生産性を高めるうえで非常に重要です。 しかしこれが役立つのは、次の行動が十分な情報に基づいている場合のみ。次の行動を成功させるためには、過去に同じようなことに挑戦し失敗したとき、なぜその時思い通りにいかなかったのかを理解しなければなりません。 個人的なアフターアクションレビューを行なうことは、自分自身の仕事を評価する一つの方法。しかし、何がうまくいかなかったのかを真に理解し、今後の取り組みに生かすためには、より深く掘り下げる必要があります。 失敗の根本となった原因に迫るため、今回ご紹介する「5つのなぜ」の手法を試してみてください。
日本生まれ。「5つのなぜ」テクニック
「5つのなぜ」は「5S」や「3M」と同様、日本の名高い工場システムから誕生した、生産性改善のためのプロトコル。 基本的には、まず問題を特定したら「なぜ?」という質問を5回繰り返します。そうすることにより、最終的に問題の根本となった原因、そして問題を修正するために焦点を当てるべき点が明らかになっていきます。
あらゆる問題に役立つ「5つのなぜ」実践法
1. 必要に応じてチームをつくる このテクニックの一部のやり方では、開始前にブレインストーミングを行なうためにチームをつくるよう求められることがあります。 しかし、個人的な問題を評価する場合は、この部分は違う形で補うことも十分可能です。 たとえば、あなたの「チーム」を、取り上げる問題について意見交換の場に投稿している人とすることも可能ですし、または友達とのグループチャットとすることもできます。 もし問題が家庭内のものである場合は、家族と話し合ってみてください。 また、堅苦しい場にする必要はありませんが、もし取り上げる問題が仕事に関連しており、同僚が関与している場合は、その同僚も議論に巻き込んでください。 2. 解決すべき問題を定義する チームに相談するかどうかに関わらず、まずは重要な作業、問題を定義するところからはじめます。 問題を明確にし、理想的にはそれを書き留めてください。 たとえば、夕食の時間までにダイニングルームをきれいにすることができなかったため、みんながカウンターで食事をしなければならなかったという問題があったとしましょう。単純化して言えば、問題は「ダイニングルームをきれいにしなかった」ことです。 3. 「なぜ?」を繰り返す 次に、「なぜ?」と問いかけてみましょう。 たとえば、「職場からの電話を取らなければならなかった」というように、その答えを書き留めておきましょう。 そして、次は「電話を取らなければならなかった」ことに再度「なぜ?」と問いかけます。 その答えを書き留め、もう一度同じ質問をします。「なぜ」を5回聞くまで、これを繰り返します。 その結果、このようなメモが出来上がるかもしれません。 ダイニングルームを片付けられなかった > 職場の電話に出なければならなかった > 職場の上司が欲しがっていた報告書を仕上げられなかった > 営業部門から必要なデータをもらえなかった > 営業部門が私の期限を把握していなかった 4. 根本的な原因に対処する 問題の掘り下げが終わると、最後の「なぜ?」に対する答えがドミノ倒しのようにつながり、問題の根本的な原因になっていたことがわかります。 このように問題の詳細を解き明かし、修正することは、結果的により大きな問題を防ぐことにつながります。 この例の場合であれば、「プロジェクトを進める際には、他部署に締め切りや必要事項を早めに伝える」と書き留めておきましょう。そして、次に何かプロジェクトに取り組むにあたり、プロジェクトに関連するTodoリストを作成する際には、「データの締め切りについて営業部門とコミュニケーションを取る」という項目を含めることを忘れないでください。 ただ、「なぜ?」を5回繰り返すと、根本原因が必ず明らかになるわけではないことに留意してください。 たとえば、営業部門に締め切りを伝えるのはあなたの仕事ではないかもしれません。もしかすると、その作業を行なう予定だった人がミスをしたか、営業部門の人がメールを確認しなかったかもしれません。 その場合、職場の手順を見直すことが答えになるかもしれません。 「5つのなぜ」は確実なものではなく、問題に対する考え方を変える手段であり、それによって問題の根本原因を簡単に特定し、それらに対処できるようにする方法なのです。 「なぜ」を尋ね、逆算して考える習慣を身につけると、これを迅速に行なうことができるようになり、将来の計画をより効率的に変更することができるようになります。 Source: MindTools
真栄田若菜/OCiETe