広東、香港、マカオ警察による合同取り締まり作戦「落雷2024」が終了…夏・冬の二度実施
マカオ警察総局(SPU)は12月21日、広東省及び香港の警察当局と合同で今年(2024年)6月22日から8月15日までと11月4日から12月12日まで二度にわたって実施した合同取り締まり作戦「落雷2024」の総括を発表。 同作戦は毎年恒例実施されているもので、今年は組織的なクロスボーダー犯罪が重点摘発対象となった。また、マカオでは今年10月29日に「打擊不法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が施行となったことを受け、二度目の作戦ではカジノ施設内外で暗躍する「換銭党」と呼ばれる違法両替商についても重点的に取り締まりが行われた。 マカオにおいては、警察総局のコーディネート及びプランニングのもと、マカオ税関、治安警察局、司法警察局から延べ2万4065人を動員し、カジノ施設及びその周辺での複数回に及ぶ抜き打ちパトロールのほか、市中、沿岸、マカオ管理水域のパトロール及びマカオを出入りする物品のランダム検査を強化して臨み、調査対象者数は16万3355人、詳しい調査のため身柄を拘束して警察署へ移送した者の数は4216人、このうち司法機関送致に至った数は1360人、刑事事件数にして1021件に上ったという。このほか、マカオ税関によって密輸に従事したとして対外貿易法違反で行政起訴された者が1159人(うち433人がマカオで就労する海外労働者)いた。
重点取り締まり対象に絡む検挙事案の内訳と司法機関装置に至った者の数については、組織犯罪19件(106人)、禁止武器所持22件(23人)、賭博用途の違法貸付(いわゆるカジノ高利貸)96件(154人)、違法賭博経営4件(57人)、賭博用途の違法両替(換銭党)79件(115人)、薬物犯罪18件(22人)、管理売春9件(19人)、サイバー詐欺40件(41人)、窃盗134件(151人)、強盗9件(13人)、マネーロンダリング31件(44人)、密航ほう助2件(2人)。 このほか、違法両替、売春、違法入境、オーバーステイ、違法就労などの行政違法行為で検挙した非居民の数は1762人で、退去処分を講じたとのこと。 マカオ警察総局では、広東省、香港、マカオの警察当局の共同努力の下、さまざまな治安リスクと脅威を未然に防ぐとともに、クロスボーダー犯罪や治安秩序を乱す各種違法行為の抑止に繋がり、マカオの各種大型イベントやマカオ返還式典の円滑な遂行を実現できたと評価。今後もマカオにおける犯罪動向の注視、犯罪データと事件に関する詳細の徹底分析を通じ、マカオ全体の治安情勢をレビューしながら、適宜適切なアクションプランを策定して各種抑止・取り締まりを行うことでマカオの安定した治安を維持すると同時に、マカオ、広東省、香港の近隣三地の警察当局間で連携を維持することで、セーフティネットを築き、区域の安全と安定確保に努めるとした。