<夢の舞台へ!’23センバツ光>支える人々/中 「食トレ」保護者ら提案 /山口
和気あいあいとした声が調理室の外まで響く。中では10人ほどの保護者とマネジャー7人が料理に腕を振るっていた。丸く盛られたケチャップライスに「甲子園出場おめでとう」の旗。スパゲティにハンバーグ、デザートといったお子様ランチ風メニューの「選抜甲子園お祝い膳」だ。 センバツに出場する選手たちを温かい食事で支えようと、野球部父母会の保護者らとマネジャーが「食トレ(食事トレーニング)」と称して料理を振る舞っている。例年、野球部は父母会の力を借り、12~2月の冬季に「食べる合宿」を実施。月1回、2泊3日で体作りをしていたがコロナ禍で中止に。「選手たちの力になりたい」との保護者らの提案で、2020年に冬季練習の日曜日に昼食を提供する「食トレ」を始めた。 今季は計7回。栄養に関して学び、アイデアを出し合って献立を考える。センバツ出場決定直後の1月29日の「お祝い膳」は、筋肉量の増加に必要なタンパク質を豊富に取れるメニューにした。5升6合のご飯を炊き、120枚のホットケーキを焼き上げたという。食べ終わると選手たちは「おいしかった」「ありがとうございました」などとお礼を述べていた。 大谷優輝選手(2年)の母陽子さんは「本当は食事合宿ができたら良いが、コロナ禍でできない。その中で何かできないかと食トレを始め、温かいものを少しでも提供したいと思って作っている」と話す。マネジャーの竹中瑠衣さん(2年)は「自宅と違ってたくさん作れるのが楽しい。選手たちがきれいに食べてくれてうれしい」と声を弾ませた。 部長の川上健一郎教諭は「冬は体作りの大切な時期。しっかりと温かい食事を食べられることは選手にとって大切で、保護者の支えがありがたい」と頬を緩めた。【福原英信】 〔山口版〕