日本の総理大臣として初…岸田首相、フィリピン議会で演説 中国念頭にASEANとの協調訴え
日テレNEWS NNN
フィリピンを訪れている岸田首相は、日本の総理大臣として初めてフィリピン議会で演説を行いました。中国を念頭に、ASEAN諸国に対し「自由」と「法の支配 」の重要性を訴えました。佐藤記者の報告です。 岸田首相「世界はイデオロギーや価値観で分断されて良いわけがありません。分断と対立ではなく協調に導き、『自由』と『法の支配』を守り抜く決意です」 演説で岸田首相は、日本とASEAN諸国の関係について「幅広い交流を通じて心と心のつながる信頼関係を育んできた」と述べ、今後、対等なパートナーとして「各国の強靱(きょうじん)性や持続可能性を高めていく」と訴えました。 一方、日本とフィリピンとの関係については「黄金時代に入った」と強調しました。南シナ海で中国との領有権問題を抱えるフィリピンの沿岸警備隊に12隻の船舶を供与したことや、マルコス大統領との会談で沿岸監視レーダー5基の供与が決まったことなどをあげ、「戦略的な協力を一層深めていく」と述べました。 演説後、ある外務省幹部は「たびたび大きな歓声があがるなど、演説は好意的に受け止められた印象だ。日本のASEANに対する取り組みがうまく伝わった」と述べました。 岸田首相はその後、フィリピンの沿岸警備隊本部を訪れ、日本が供与した巡視船を視察し、日本で研修を受けた隊員たちと面会しました。 岸田首相はこのあとマレーシアに移動します。フィリピンと比べて対中国で温度差のあるマレーシアに対し、どこまで連携強化を図れるかが焦点となります。