ハイテク株で利益確定の時、エネルギー・日本株に妙味-ゴールドマン
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)では、値上がりが目立つテクノロジー株の利益を一部確定し、より割安な企業に資金を振り向けている。
マルチアセットソリューション部門の共同最高投資責任者(CIO)であるアレクサンドラ・ウィルソンエリゾンド氏によると、同社ではハイテク株が圧力にさらされるとの見方から、エネルギー株や日本株といった分野を選好している。米経済はソフトランディング(軟着陸)に向かっているが、その軌道に変更を迫るリスクが多数あるという。
ウィルソンエリゾンド氏は電話インタビューで「当社ではテクノロジー株で利益を一部確定し、他のセクターへと資金を振り向けることを好む」と指摘。
ハイテク銘柄の「リスクリワードは下向き」だとし、「株式をロングとし、ハイテク株をポートフォリオに組み入れる戦略を信じているが、他に一段と魅力的な投資機会もあるとみている」と述べた。
ハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」のリターンはすでに乖離(かいり)し始めている。エヌビディアは年初来72%と高騰している半面、他の銘柄はそれほど好調ではない。アップルは中国でのiPhone(アイフォーン)販売低迷が足かせとなっているほか、テスラは電気自動車(EV)需要を巡る懸念から年初来30%の値下がりだ。
ウィルソンエリゾンド氏によると、GSAMはインフレと地政学リスクに対するヘッジとして、エネルギー株をオーバーウエートとしている。この戦略は今年これまで奏功している。S&P500種株価指数の石油・ガス株指数が年初来16%上昇しているのに対し、ハイテク株は11%上昇だ。
一方で、高金利の影響を受けやすいとの理由から、小型株や公益事業、不動産投資信託(REIT)に対しては慎重姿勢を崩していないという。とはいえ、小型株の一角は割安なバリュエーションで妙味があり、いくつかは急成長する人工知能(AI)企業の買収ターゲットになる可能性もある。