24年の世界平均気温、最高更新 産業革命前から初の1.5度超え
Kate Abnett Alison Withers [ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は10日、世界の平均気温が2024年に産業革命以前(1850─1900年)と比べて1.6度上昇し、上昇幅が初めて1.5度を上回ったと発表した。 平均気温は過去最高の15.1度となり、C3Sは気候変動で地球の気温が現代の人類が経験したことのない水準まで上昇していると懸念を示した。 C3Sのカルロ・ボンテンポ所長はロイターに、昨年は全ての月で気温が記録開始以来最も高かったか、2番目に高かったと語った。また、過去10年間は全て記録上最も暖かい年のトップ10に入っているという。 15年の気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で、各国政府は気温上昇を長期的に1.5℃以下に抑える目標を掲げた。 ボンテンポ氏は「まだ終わった話ではない。私たちにはこれから軌道修正する力がある」と期待を示した。 C3Sによると、主要な温室効果ガスである二酸化炭素の大気中濃度は昨年、422ppm(ppmは100万分の1)と過去最高を記録した。 温暖化の最大の要因は人為的な排出だが、昨年初の気温はエルニーニョ現象の影響でさらに上昇したという。