エッセー本「限界ギリギリ家族」を出版した佐藤さん（中央）と翔輝さん（左）、姫歌さん

　ショート動画投稿アプリ「TikTok（ティックトック）」などで、知的発達障害や自閉症のある息子や娘の姿を発信する福島県平田村在住の佐藤靖高さん（55）は、家族のエピソードなどをまとめたエッセー本「限界ギリギリ家族」（KADOKAWA）を出版した。佐藤さんは「この本を読んで一人でも多くの人に『私も頑張ろう』と思ってもらえたら」と語る。 　佐藤さんは2018年ごろからTikTokなどで動画投稿を始めた。「障害への理解を広め、同じ境遇の人にエールを送りたい」との思いから、重度知的発達障害と自閉症がある長男の翔輝さん（23）と、軽度知的障害と自閉症がある長女の姫歌さん（17）の生活の様子を公開している。 　翔輝さんの笑顔や姫歌さんのイラストなどが人気を集め、今ではTikTokのフォロワーは11万3千人、動画投稿サイト「ユーチューブ」のチャンネル登録者数は9万4千人を超えた。3月に出版した「限界ギリギリ家族」は、佐藤さん一家のこれまでの経験や、知的発達障害などの症状とその向き合い方、翔輝さんや姫歌さんの個性あふれるエピソードなどがまとめられている。 　佐藤さんは「どんなにつらくても、前に進んできたから、今幸せに4人で暮らすことができている。家族みんなで作り上げた本を多くの人に読んでもらいたい」と願った。書籍は四六判で240ページ。価格は1650円。インターネットなどで販売している。