ボードゲームは社交の場! 話題の新ゲーム「サンレンタン」開発者のコミュニケーション術
当事者とのコミュニケーションから生きた情報を掴み取る
ターゲットが異なる各種メディアに合わせた “バズる”企画を求められる白武氏は、リアルタイムでヒットしているものに興味を持ち、日々の情報収集を怠らない。 「ランキングがあるものは普段から目を通します。YouTubeの急上昇ランキングやNetflixのランキング、SpotifyのポッドキャストチャートやApple Musicのランキングなど。あまり興味がないジャンルでも、人気のドラマやアニメは、第1話だけ軽く目を通すよう心がけています」 ただ情報を集めるのではなく、そこから人々に刺さる企画を発想することが重要。そのためには、“生きた情報”を掴まなくてはならない。 「初対面の人でも雑談するときはとにかく、今熱中していることについて聞きまくります。最近、何を見て、どう思ったか。ネットだと自分が興味ないものは全然リコメンドされないので、そういう会話から出合えないものが必ずあります。例えば、僕自身はゲーム実況者とかVtuberとか疎いんですけど、その界隈の情報は積極的に聞きますね。 また、あまり普段は飲みに行ったりはしないんですが、ジャンル違いの魅力的な人と知り合ったらその日に飲みに誘います。相手が知りたそうな情報をこちらも伝えながら、例えば相手が大手出版社の漫画サイト担当の人なら、『ジャンプ+がなぜ凄いのか?』『漫画界はどういう勢力図なのか?』『今後どうなっていくと予測しているか?』みたいな、 “その業界の今”を質問攻めしてしまいます。最前線の情報はネットには落ちてないし、直接当事者に聞かないと知り得ないことなので」 時代のトレンドを敏感に察知しようとする努力が、若き放送作家・白武ときおの仕事を支えている。 白武ときお/Tokio Shiratake 1990年京都府生まれ。2011年に放送作家としてデビュー。著書に『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』がある。2024年10月16日に発売したボードゲーム『サンレンタン』(幻冬舎)のゲームデザインを担当。
TEXT=坂本遼佑