「白尾茂夫」と名前が刻まれた万年筆＝２９日、豊見城市・旧海軍司令部壕

　沖縄県豊見城市の旧海軍司令部壕の未公開部分で、遺骨収集に取り組む京都府のNPO法人「空援隊」が20日から行っていた遺骨収集活動が28日、終了した。遺骨の他、名前入りの万年筆やせっけん箱など遺品も見つかった。未公開部分約150メートルでの遺骨収集は2022年10月から開始し、これまで計5回調査。空援隊による未公開部分での調査は今回が最後となる。（社会部・當銘悠） 【写真】ボランティア「まだこんなに…」　続出する遺骨 　計5回の遺骨収集で延べ1730人が参加。参加者は土のう1万5千袋分以上の土を運び出し、ふるいにかけて遺骨が交じっていないかを確認した。見つかった遺骨は段ボール箱で約8個分、遺留品は65箱分になった。 　名前の記された遺品は糸満市の「平和の礎」の名前と照合するなどし、遺族に返したいと考えている。 　空援隊の倉田宇山専務理事は「米軍人や自衛隊員、大学生などいろいろな人たちが参加してくれて、ボランティアの皆さんの力があって完掘できた」と話した。