4連勝で波に乗る、左から1安打2打点の国学院大、神里、鳥山監督、リーグ11勝目を挙げた坂口（撮影・保坂淑子）

＜東都大学野球：国学院大4－1日大＞◇第3週最終日◇17日◇神宮 　第3週の未消化試合が行われ、国学院大が日大に勝利し2勝1敗とし、勝ち点を3に伸ばし優勝の可能性を残した。破れた日大は優勝の可能性が消えた。 　国学院大は2回2死一、三塁から落合俊介外野手（3年＝八王子学園八王子）の左前適時打で先制。なおも2死一、三塁から神里陸捕手（4年＝東海大相模）の左越え適時二塁打で2点を加え、この回3点を挙げた。 　投げてはドラフト候補にあがる最速153キロ右腕、坂口翔颯投手（4年＝報徳学園）が6回から3番手でマウンドにあがり「最初は球が浮いてあまり良くなくて、チームに勢いをつけてあげられなかった」と、3イニング目の8回から体の開きを修正。140キロを越える力強い真っすぐと低めに制球された変化球で逃げ切り、3回を投げ2安打1失点。昨春の5月25日以来。リーグ通算11勝目を挙げ「（先発の）当山、榊原とつないでくれて、たまたまタイミングよく投げたのが自分だっただけ。素直に喜んではダメです」と、照れ笑いを浮かべた。 　今春、リーグ戦途中で右肘を痛め離脱。エースを失ったチームは最下位争いに苦しみながら1部残留を決めた（5位）。坂口は「チームの力になれない。野球ができないという苦しみを味わった」と、振り返った。 　ラストシーズン、少しでもチームの力になりたい。その一心でリハビリを重ね、9日の中大戦から復帰。大黒柱が戻り、チームは10日から4連勝と息を吹き返した。「今は野球ができる喜びと、チームの力になれる幸せをかみしめながら投げさせてもらっています」。鳥山泰孝監督（49）も、「ここ数シーズン、坂口の好投に打線がこたえられていなかった。去年の春も秋も非常に素晴らしいピッチングをしてくれていましたからね」と、エースの復活をたたえた。 　国学院大は第5週の東農大戦に2連勝すると9勝5敗で勝ち点4。青学大が中大に1勝2敗で勝ち点を落とした場合のみ、首位に並ぶ。1敗もできない戦いはまだ続く。坂口は「自分の内容どうこうよりは、任されたところで自分のできることを精いっぱいやって、チームが結果的に勝ってくれればいい」。逆転優勝へ。チーム一丸で、向かう。