材料は切符のパンチカス?駅助役手作りの車両ドット絵話題に
材料は切符のパンチカス?駅助役手作りの車両ドット絵話題に THEPAGE大阪 主題歌「たとえば」打越元久
19日夕、大阪市交通局の職員と取材の件で話した後に少し雑談をしていたら「今、西梅田の助役が作ったドット絵が人気なんです」ということを聞いた。なんと材料は切符を改札に通して穴を開けた時に出るゴミ、通称「パンチカス」で、それを使って車両を描いたという。さっそく大阪市北区にある同市営地下鉄、四つ橋線の西梅田駅を訪ねてみると、改札の近くに電車の絵が。しかし、よーく見ると、切符の文字だらけだった。この絵を制作した助役に話を聞いてみた。
制作には300時間、1人作業でコツコツと
同駅の中改札前の展示スペース「西梅田地下画廊」を訪ねると、見ごとに描かれた地下鉄の車両。その前でこの絵を作った張本人、助役の山口雅博さん(46)が制作秘話を語ってくれた。 「元々、今年四つ橋線開業50周年でなにかイベント的なことできへんかと言われ、そこで思いついたのが、パンチカスを使ったドット絵でした」と語る山口さん。描かれているのは四つ橋線などで使われている「新20系」車両だという。 制作時間を聞くと「300時間」で、これは1人でコツコツ行った作業。パンチカスのいわゆる「粒」は15万3600にものぼり、気の遠くなる作業だったという。「この粒を一つひとつ両面テープなどを使ってはるんですが、けっこう大変でした」
人気ぶりから限定展示が「無期限展示」に
そんな山口さんは、交通局に入って駅員や車掌、運転士などをへて、現在の助役の業務に。もちろん、この描かれている車両も運転していたので、思い入れはあるという。 さぞかし、趣味で絵も常に描いているのかと思えば「小学校の時に描いてたくらいですよ」と苦笑。しかし、このドット絵がツイッターやフェイスブックといったSNSで話題となると「これだけ話題になるとは思いませんでしたね」と笑顔をみせた。 反響を受け「第2弾などはあるんですか」と聞くと「一応、展示物の下に作成データの紙をはっていて、そこにも書いているんですが『もう2度としません』」と語る山口さん。この絵も展示期間を終える予定だったが、この人気から「無期限」の展示も決まった。 この記事の取材中も通りすがりの人たちが、パンチカスの作品と知ると、山口さんに「写真撮らせてもらっていいですか」「すごいですね」と声をかけてきた。「無期限」展示により、このドット絵は、すっかり西梅田駅名物となったようだ。