【マイルCS】4連勝中も気になる不安データ データで導く「過信禁物の注目馬」
2つの前哨戦で異なる危険パターン
11月19日、京都競馬場ではマイルCS(GⅠ)が行われる。過去10年で1~3番人気馬の複勝率が56.7%と高めで、10番人気以下の伏兵の好走は一度もなかった。 【マイルチャンピオンシップ2023 データ分析】差しが6勝も後ろ過ぎると問題あり!? 前走クラス別成績などデータで徹底分析(SPAIA) 比較的堅い決着が多いだけに、人気馬を精査し買い目を絞って勝負したい。今回は京都開催だった過去10年(2010~19年)のデータを基に、「過信禁物の注目馬」を導いていく。 まずは、前走レース別の成績を取り上げる。過去10年でのべ10頭以上の出走があった主要なローテーションは富士S、毎日王冠、天皇賞(秋)、スワンSの4レースだった。この中で後者の2つは今年の登録メンバーに該当馬がいないため割愛する。 前走富士S組は【3-4-1-43】勝率5.9%、連対率13.7%、複勝率15.7%、毎日王冠組は【2-0-2-18】勝率、連対率9.1%、複勝率18.2%となっており、両者ともにまずまずの成績を残している。だがこの2つの組を、前走着順別に分類すると異なる傾向が浮かび上がる。 富士S組は、前走で1着だった馬が【1-2-1-2】勝率16.7%、連対率50.0%、複勝率66.7%と抜群の成績だ。また、回収率についても単163%/複131%とかなりの高水準となっている。 一方で2~5着馬は【1-2-0-18】勝率4.8%、連対率、複勝率14.3%と、3頭の連対馬は出ているが、同組の1着馬と比べると見劣りする。回収率も単41%/複33%と、馬券的な妙味も薄い。富士S組は、勝利していた馬を積極的に狙うべきだとデータから判断できる。 毎日王冠組は、1着馬が【0-0-0-2】複勝率0.0%と好走馬が出ていない。サンプルこそ少ないが、ダノンキングリー(19年2番人気5着)、アエロリット(18年2番人気12着)といったGⅠ実績のある実力馬が、2頭揃って馬券圏外に敗れている。一方で2~5着馬の成績は【2-0-2-8】勝率、連対率16.7%、複勝率33.3%と良好で、当レースで馬券に絡んだ馬は全てこの組に含まれている。回収率も単125%/複115%と高く、毎日王冠組は2~5着の馬こそが狙い目と言える。 2つの前哨戦の着順に着目すると、富士S組は1着馬が、毎日王冠組は2~5着馬がそれぞれ好成績という、異なる傾向がある。この要因の1つとして、各レースの距離の違いが挙げられる。 富士Sは当レースと同じ1600mで施行されるため、ここで力を発揮できたマイル適性の高い馬が、そのまま好走を果たしている。一方で毎日王冠は1800mで施行されているため、ここで一歩及ばなかった「本来は1600mがベスト条件」の馬が、本番で巻き返す構図となっている。 裏を返せば、富士Sで力及ばず敗れた馬や、毎日王冠でベストのパフォーマンスを発揮した馬に、過度な期待を寄せるべきではない。