前相撲でモンゴル出身の聖白鵬(せいはくほう)が白星デビュー「白鵬を背負っているので負けられない」
「大相撲春場所2日目」(11日、エディオンアリーナ大阪) 前相撲が始まり、モンゴル出身の聖白鵬(宮城野部屋)が、日野(伊勢ヶ浜部屋)を寄り切りで破って白星デビューを飾った。初めて本場所の土俵を経験した聖白鵬は「少し緊張しましたけど、集中してやりました」と振り返ったが、立ち合いからすぐに左四つに組み止めると一気の速攻で勝負を決めた。本来は右四つが得意だが「まわしを取って前に出る自分の相撲が取れました。プロに世界に入ってきたな、という実感がわいてきました」と納得の表情をみせた。 しこ名については本名のデミデジャムツがモンゴル語で「聖なる海」という意味から、「聖という文字を入れたい」と希望した。そこで宮城野親方(元横綱白鵬)の現役時代のしこ名に聖をつけて「聖白鵬」に決まり、3月1日に伝えられたという。「白鵬を背負っているので負けられない。自分には荷が重いけど、ひとつひとつ頑張っていきたい」と並々ならぬ決意を示した。 元幕内北青鵬(引退)の暴行問題の余波もあり、所属する宮城野部屋は玉垣親方(元小結智乃花)が師匠代行を務め、不要な外出を自粛するなど厳しい状況で春場所に臨んでいる。「相撲に集中して、あまり気にしないようにしていました」と話した。 鳥取城北高から同大に進み宮城野部屋に入門。約9カ月の研修期間を経て初場所に新弟子検査を受検。ようやく大相撲での第一歩を踏み出した。父はモンゴル相撲で4度の優勝を誇り、192センチ、127キロと体格に恵まれた真のサラブレッド。宮城野親方とは「2年以内に関取に上がろう」と約束をかわした。大きな夢に向かって力強く歩みを進めていく。