“子持ち様”めぐりネットで議論に 子あり・子なしの立場が逆転? 夏野剛氏「これは業務のしわ寄せの話ではなく、経営の問題だ」
今議論になっている、“子持ち様”という言葉。ネットスラングの一種で、子育て世代への皮肉として使われることが多い。SNSでは「こちらが具合悪くてもフォローないのに子持ちってだけで優遇される」「子どもなし家庭が子育て世帯と同じ支援・配慮を求める意味がわからない」といった声があがり、分断が進んでいるとの見方もある。 【映像】「マジで滅びね―かな」 スタジオ出演者の“不満投稿” SNSで度々紛糾するこの問題について、『ABEMA Prime』で議論した。
■働き方の変更を提案したら「ハラスメントだ」とも…
コンサルタント業のよしありさんは「こちらが具合悪くてもフォローないのに、子持ちってだけで優遇されるもんな。子どもを免罪符にすれば、何でも許されるんですかね?」などの不満をXに綴っている。「この時ちょうど繁忙期だったが、時短勤務をされている方が子どもの発熱で休んだ。そのカバーをしたものの、無理がたたって体調を崩してしまい、少しネガティブな投稿をしたという経緯だ。“子持ち様”という言葉は特定の方に言っているのではなく、子育て世帯の方々だけの支援はいかがなものかと思ってのものだ」と話す。
事務職のサトウさんも、子どもの事情を理由に欠勤する人にストレスをためている。「主任としてパートさんをまとめている。小さなお子さんがいる方の急な休みはありきだと思っているが、頻繁に“子どもが~”という電話を受けると、気分はあまりよくない。週5日の契約なのに、いる日のほうが少ないぐらいだ。夫や義理両親にばかり気を使い、逆に職場には気を使わせていることにちょっとイラっとした」。フルタイム以外の働き方の検討を提案したところ、「ハラスメントだ」と騒がれてしまったという。
コラムニストの河崎環氏は「職場における感情の対立は2010年ぐらいから一斉にXで、子あり・子なしというかたちで激化した。その後、安倍政権で女性活躍や育休支援の拡充が一気に広がり、ワーク・ライフ・バランスも世の中に浸透してきた。私より下の世代は、子育てしながら女性がフルタイムで働くことが可能になり、だいぶ生み育てやすくなったと思う。しかし今、“子持ち様”という言葉が吹き出しているのは、子どもがいる人の立場が少し変わったのでは。世の中が優遇するようになり、子どもがいない人たちのほうが割りを食った感情を持っているような、逆転現象が起きていると思う」との見方を示す。 これによしありさんも「制度が手厚くなっているのはいいことだと思う。ただ、それだけが先行していて、実態との乖離によってお互いの不平不満が出てきている。“現場で工夫してやってくださいね”というのが今のスタンスだ」と訴えた。