『silent』『すき花』村瀬健プロデューサー 大失敗から学んだ「自分で責任を取る」覚悟
「スタッフは大変だと思います」チームに求める厳しさ
――「自分で責任を取りたい」とはっきり言える上司は、少ないかもしれません。 僕がそう言えるのは、ドラマの制作チームが“上司と部下”の関係ではなく、僕が声をかけて集めた“仲間”だからなのかもしれません。スタッフに仕事を任せた結果うまくいかなかったとしたら、それは100%僕の責任です。そのスタッフをチームに誘ったのは僕だからです。 でもその分、僕は作品のクオリティを求めるので、本当に厳しいと思います。スタッフから完パケ(完成品)を受け取って、普通だったらそのまま納品するところ、僕は気になる箇所があればギリギリまで直します。スタッフは大変だと思いますよ。でも、僕の仲間たちは最強だから「こんなもんじゃないよね。まだいけるよね」という思いでやっています。 これは僕だけじゃなく、どのプロデューサーも、どのディレクターも、特にフジテレビには他局に胸を張れるクリエイターがいっぱいいるから、みんなそう思っているんじゃないでしょうか。中でも僕は「責任は取るから、最後の最後までやろう」という気持ちが強いと思います。 ――村瀬Pは、妥協したり、既成概念にとらわれたり、ということがないですよね。 僕が、「人のせいにする」ほかにもう一つ嫌いなのが、「前例にない」という言葉。この仕事をしていると、多いんですよね。「前例がないからできない」「お金がないからできない」って言われること。だったら、できる方法を「考えようよ」って思います。 本当にできない理由があるなら諦めるけど、「前例がない」というのは、理由にならない。だって、僕は、誰もやったことがないことをやりたいんですから。前例なんかあるわけない。ないものを理由にして諦めるなんて、それこそ理由が何もないですから。 とにかく「やる」って言わないと物事は動かないから、説明して協力してもらう。そうやって切り開くのが、僕は好きだし、僕のやり方だと思っています。
フジテレビュー!!