【速報】宝塚歌劇団「宙組」公演9か月ぶり再開へ 大劇場には朝からファンの姿「不安で眠れなかった」「ステージでは元気な姿を見たい」
宝塚歌劇団の宙組に所属する当時25歳の女性が自宅マンションの敷地内で死亡しているのが見つかってから中止されていた宙組の公演が、20日、およそ9か月ぶりに再開されます。 20日から宝塚大劇場で始まるのは『ル・グラン・エスカリエ』。従来なら芝居とショーの2本立てのところ、今回の公演はショーのみの開催となります。宝塚歌劇団は「十分な準備期間を確保し公演の万全を期すため」としています。
■約3時間前からファンの姿「卵投げつけられたら…」心配の声も
開演は午後1時ですが、宝塚大劇場では、午前10時のゲート開場前からファンの姿が見られました。 「宙組」ファンだという50代の女性は、「劇団員が舞台に立つまでこんなに長引いたのは心が痛んで、もっと早く舞台に立ってほしかった。再開されるのが嬉しくて、今日の公演が楽しみ」と話しました。 一方で、宙組のトップ女優・芹香斗亜さんのファンだという女性は、「不安で昨夜は眠れなかった。卵を投げつけるお客さんがいたらどうしようとか。無事に幕が開くことを祈っている」と心配する声も聞かれました。
■再調査で一転“上級生らのパワハラ”認める 再発防止策まとめる
宝塚歌劇団をめぐっては2023年9月、宙組に所属する25歳の女性が自宅マンションの敷地内で死亡しているのが見つかり、女性は自殺したとみられています。女性は、下級生の“まとめ役”を務める中で長時間にわたる残業をしていた上、上級生からヘアアイロンを押し当てられてやけどを負ったり、「下級生の失敗は、すべてあんたのせいや」「ウソつき野郎」などと言われたりしたことが、遺族の代理人弁護士を通じて明かされていました。 劇団側が去年11月に公表した調査結果では、死亡した女性に「強い心理的負荷がかかった可能性が高い」とする一方、「いじめやパワハラ」は確認できなかったと結論づけましたが、これに対し遺族側は、「パワハラが否定されたままで、合意解決することはありえない」と批判。12月には、「上級生がヘアアイロンでヤケドを負わせた」「組の幹部が他の劇団員の面前で大声で叱責した」など15のパワハラ行為があったと改めて主張していました。 その後、劇団側は、ホームページで公表していた調査報告書の掲載を取りやめた上で、「劇団幹部や上級生の行為の多くがハラスメントに該当する」との見解を示し、遺族側と劇団側で複数回にわたって協議が行われていました。 2024年3月、歌劇団側と遺族側の協議が合意に達し、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長、嶋田泰夫社長、宝塚歌劇団の村上浩爾理事長らが遺族に直接謝罪し、合意書を締結したことを明らかにしました。遺族側が主張していた15項目のパワハラ行為については、遺族側との話し合いで14項目に整理したうえで全てについてパワハラを認め、再発防止策を公表しています。 一連の問題を受けて、宝塚歌劇団は全ての公演を一時中止していましたが、予定された公演回数を減らすなどした上で、12月1日から順次再開していました。一方、宙組については公演の休止が続いていました。劇団と遺族側との協議が合意したことで、再開に向けた準備が進められていました。