美しいけれど刺されたら大変! 毒を持つ種の特徴と防衛術【へんないきもの・クラゲ編 vol.04】
お盆の頃に出てくる行灯型の怖いヤツ 【アンドンクラゲ】
お盆の頃、海水浴でクラゲに刺されてミミズ腫れになったという場合、犯人はアンドンクラゲであることが多いそうです。 「アンドンクラゲは体が透明で触手が長いため、刺されても見つけることが難しいんです。光に集まる性質があり、港のライトの下に行くと、集まっていることがあります」(池田さん)。 アンドンクラゲのアンドンとは行灯のことだそうです。確かに立方体の傘と長い触手が行灯のようにも見えます。お盆と行灯というとお化け話を思い浮かべますが、クラゲの行灯も怖いので注意してください。
クラゲたちは人を刺している意識はない?
ところで、なぜクラゲは人を刺すのでしょうか。 「クラゲが毒針を持つ理由は主に2つです。餌を捕まえるためと身を守るためですね。クラゲは脳みそがありません。つまり何も考えておらず自ら人を襲うことはありません。刺されてしまうのは、私たち人間がクラゲのいる場所にたまたま遭遇してしまい、毒針の入った触手に当たってしまっているのです」(池田さん)。 クラゲがゆっくり生活しているところに、おじゃましてしまったが故の悲劇なのですね。とはいえ、クラゲがどこにいるか分からず、避けるのは難しそうです。
海にはラッシュガードを持って行くと便利
「海では肌を露出させないことが一番です。ラッシュガードなどを着て肌を露出させなければ刺される心配はありません」(池田さん) ラッシュガードは日焼け防止にはもちろん、クラゲから身を守るのにも役立つので、海に遊びに行くときは用意しておいたほうがいいかもしれません。
症状がひどいときにはすぐに海の近くの病院へ
万一、クラゲに刺されたらどうしたらいいのでしょうか。 「まずは溺れないようにすぐに海から出てください。刺された箇所に触手が付いている場合は、すぐに海水で洗いながら取り除きます」(池田さん)。 淡水で洗うと刺激して毒針を発射させる可能性があるため、海水で洗わなければいけないそうです。 「症状がひどい場合はすぐに近くの病院に行ってください。海の近くの病院であれば、同様に刺された人も過去に診断を受けたことがある可能性があるため、治療に慣れているお医者さんがいるかもしれません。呼吸困難などの重篤の場合にはすぐに救急車を呼んでください」(池田さん)。 海遊びのときはクラゲをあなどらず、ラッシュガードなどでしっかり予防するとともに、刺されたら速やかな対処をするようにしてください!
平野智美