＜法大ハンマー殴打関連＞警察車両が止まる法大キャンパス内

　東京都町田市の法政大多摩キャンパスで10日午後3時45分ごろ、職員から「学生がハンマーを振り回し、ケガ人が複数いる」と110番があった。警視庁は傷害容疑で、法政大社会学部の女子学生で自称、東京都八王子市の韓国籍ユ・ジュヒョン容疑者（22）を現行犯逮捕した。警視庁などによると、ケガをしたのは19～22歳の学生で、男性5人、女性3人の計8人。数人が頭から血を流しているが、8人とも軽傷という。 【写真】＜法大ハンマー殴打事件関連＞事件のあった4号館校舎に張られた規制線 　ユ容疑者は調べに「グループから無視されて鬱憤（うっぷん）がたまっていた。学校にあったハンマーで殴った」と供述。現場からは凶器とみられるハンマーが見つかった。 　事件は社会学部がある4号館の教室で起きた。当時は講義の最中だった。階段状の教室の一番後ろに座っていたユ容疑者が突然ハンマーを取り出し、通路を下って次々と学生に殴りかかった。「逃げろ！」。叫び声があちこちで上がり騒然とする中、学生は出口へ走り出した。ユ容疑者は大学職員の男性が取り押さえ、駆けつけた警察官に逮捕された。 　冬休み明けの講義は8日から始まっており、当時試験が行われていた教室もあった。現場近くにいた経済学部の男子学生（20）は「テスト勉強をしていて、教室を出たらサイレンが鳴って騒然としていたので驚いた」と顔をこわばらせた。「体調を崩した人は申し出てください」との構内放送も流れたという。 　法政大多摩キャンパスは東京都西部の郊外にあり、樹木に囲まれた静かな環境。事件発生直後から30台以上の警察、救急車両が駆けつけ、サイレンの光が暗くなったキャンパスを照らした。構内にいた学生らは次々に現場近くに集まり、不安そうに捜査員らの様子を見つめていた。法政大は東京・市ケ谷にメインキャンパスがあり、多摩キャンパスには社会学部のほか経済学部などがある。