岸和田市長は「二元代表制への理解不足」 一方で議会も…識者の見方
大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)は24日、自身の性的関係を巡って不信任決議を可決した市議会を解散した。永野氏は記者会見で「不信任決議の内容はまったく理解ができず、大義はない」と理由を説明した。市長が私的な問題で議会解散に踏み切るのは異例。市選管は24日、市議選の日程を2025年1月26日告示、2月2日投開票に決めた。 【写真】永野耕平市長が提出した解散通知書 神奈川県逗子市の元市長の富野暉一郎・龍谷大名誉教授(地方自治論)は、不信任を受けた首長に議会の解散を認めている地方自治法の趣旨について「住民の利害に関わる重要な政策で、議会側との対立が生じた場合の解決策の一つだ」と指摘。 その上で、大阪府岸和田市長の永野耕平氏が自らの性的関係を巡り市議会から不信任決議を受け、議会を解散した判断について、富野さんは「市長の個人的な問題であっても、市民の倫理感覚とかけ離れた言動は不信任決議の対象になりうる。一方で、市長が不信任決議を受けて『議会はけしからん』といって解散するのは無理がある。(首長と議会の)二元代表制への理解がなっていない」と述べた。 ただ、市議会が永野氏に対し、本会議や委員会に出席しないよう申し入れ、実際に永野氏が出席しなかった点は問題視する。富野さんは「議会は市長に議場で説明を求めるべきで、対応を間違えている。一方、市長は議会に出席する義務があり、申し入れを拒むべきだった」と双方を批判した。【藤河匠】