【かっこいい大人たちの買い物】「レッドウィング」黒のスーパーソール、エドワード グリーンの革靴…
レッドウィングのスーパーソール・黒
スタイリスト Mさん 「僕のファッションの原点はアメカジで、10代のときから映画や音楽にインスパイアされることが多く、好きなキャラクターが何を着ているかを日々チェックしていました。当時は、ヴィンセント・ギャロのような人物像が目標でしたね。好きになる入り口自体はなんでもいいと思いますが、メンズノンノ読者の皆さんには、何かを「かっこいい」と思ったら、さらに一歩だけ踏み込んでほしい。気になるアイテムがあったら、背景にあるカルチャーを調べてみたり、実際に手に取ったり、お店の人に聞いてみたりするのもいいと思う。一番重要なのは、気持ちを入れた買い物をするときは、絶対お店に一度足を運んで試してみること。試して「なんか違うな」でもいいんです。それは経験値になるから」。 【写真】黒いレッドウィング…かっこいい人たちの「大人にしてくれた買い物9選」をもっと見る
「レッドウィングのスーパーソールは、19歳のとき働いていた古着屋のオーナーさんが履いていたんです。ソールまで黒なのが渋くて、古着に合わせたスタイリングが最高にかっこよかったのを覚えています。高額だったのでかなり迷いましたが、「レッドウィングは持っておくべき!」と思い立ってローンを組み、背伸びして購入した記憶があります。スタイリストのアシスタントになってからも10年ほど履き続けて、アイテムのカルチャーやワークブーツとしての機能をより深く理解することができ、アメカジの定番であるこの靴のよさが身に染みてわかった気がします。革の経年変化も楽しむことができて、長いつき合いができる1足ですね」。
エドワード グリーンの革靴
俳優 Yさん 「20代の前半までを振り返ると、ちょうどメンズノンノモデルになったり、役者を始めたり、いろんなターニングポイントになった時期。着たい服やかっこいいと思う人についての感覚も、この頃に形作られた部分が大きいんじゃないかな。エドワード グリーンの革靴は20代のはじめ頃に、青山のLAILA VINTAGEで、70年代のデッドストックをひと目ぼれして買った思い出があります。今も履いていますよ。実はそれまで、革靴は高校の頃に履いてたローファーくらいで……普段はコンバースやドクターマーチンを履いていたけど、その1足はシャープな佇まいがかっこよくて。 ファッションでは特定の人物に憧れるというよりも、映画の登場人物たちやその作品の世界観から少しずつ感じ取ることが多かったように思います。例えば、シャツを着るときはボタンは2つくらい開けたいな、とか、こういう車に乗りたい、とか些細なことなんですが、共通するのはシンプルでありながらラフだったり、着くずしたムードのある人に惹かれるところ。革靴もシューキーパーを入れて大事に扱うけれど、履くときはデニムに合わせたりもします。実は高校生の頃は、体が細いことがコンプレックスで、それを隠す格好をしていたこともあるんです。だからあまり偉そうな感じでは言えないけれど、ごまかさない服でいるほうがかっこいいぜ、って思う。変に飾ったり隠すんじゃなくて、ラフな格好をしていてもかっこいい人は、ありのままの自分の人間性に、自信を持っているはずだから。 最後にもうひとつ、買い物に関してずっと変わらないのは、育てられるものを買いたいという気持ち。デニムとかもそうなんですけど、大人になってからも、何年も一緒に過ごせるものが僕は好きですね」。