■イム・シワンが悪を捌く国税庁職員に！痛快劇に痺れる！『トレーサー』

『トレーサー』（C）Content Wavve Corp.

通貨投資に失敗した元インフルエンサーを演じて、またもや我々を「本当はいい奴なのか？はたまた腹黒サイコなのか？」と翻弄させてくれたイム・シワン。これまで『ミセン』の耐え忍ぶ好青年のイメージから、ほのぼのとした癒しのキャラ、狂気のサイコな役柄まで幅広く演じて、驚愕の振り幅を見せてきた彼ですが、個人的に痺れるほどかっこよかったのが、『トレーサー』での役です。これまでの役とは180度異なる魅力で強烈なカリスマ性を披露し、百想でも最優秀演技賞にノミネートを果たしました。 本作は、大企業の不正な金を管理する資金管理を専門とし、業界トップの会計士として成功していたファン・ドンジュ（イム・シワン）がある日、その座を捨て、国税庁公務員面接に志願することから始まる痛快ドラマ。 ドンジュは“ゴミ置き場”と呼ばれる国税庁租税5局をチーム長として率いて、型にとらわれない自身だけのやり方で脱税者たちに立ち向かっていくわけです。 専門用語は飛び交うし、登場人物は多いしで、かなり前半は混乱するかと思うのですが（ながら見厳禁）、先回りして、ピンチも上手く切り抜けていく、その二転三転するストーリーに、何度も騙されながらも、夢中で駆け抜けてしまいました。 クスッと笑わせてくれるコメディ要素に、悪を懲らしめる痛快なサイダー展開、次第に仲間になっていく5局の胸熱チームワークと色んな要素が絡まってくる感じ、『元カレは天才詐欺師～38師機動隊～』（めちゃくちゃおもしろいのでおすすめです！）とか、『ヴィンチェンツォ』とか好きな人には、これたまらんやつです。 そしてなんといっても、ひょうひょうと悪を捌いていくイム・シワンが最高にかっこいい…！ドンジュは、破天荒なやり方で悪に立ち向かっていくおちゃらけたキャラかと思いきや、頭脳明晰で超絶頭がキレる一面や、父への複雑な想いを覗かせる繊細な一面ももつ多面的なキャラ。 これはほかの人が演じたら全く違う作品になってたのでは？と思わされるほど、シワンのさすがの緩急ある表現力が光ります。こっちまで巧妙に騙されたり、グッと感情移入させられたり、彼の演技にめちゃくちゃ翻弄されました。さすが…上手すぎる！あとキレッキレの早口で捲し立てる姿がめちゃくちゃ痛快かつセクシーなのも、筆者だけかもしれませんが謎にときめきポイントでした（笑）。また新たな彼が発見できる、沼ハマり必至の一作です！ ▼配信情報 『トレーサー』U-NEXTにて配信中