“好きなもの”が作るアンティークな家
在宅ワークが定着した今、多くの時間を過ごす場所になっている家。だからこそ気に入ったものだけに囲まれて暮らしたい。築43年の低層マンションの1戸を購入し、リノベーションした持木邸。建物がもつヴィンテージ感を生かしたミッドセンチュリー空間で好きなものをひとつずつ増やしていく楽しみを存分に味わっている。
持木邸/1LDK/60㎡
むき出しの梁やダクトに板張りの天井、90㎝角の大判タイルの陽だまりにはみずみずしいグリーン。絶妙なバランスの無機と有機の素材が、ミッドセンチュリー的空間を構成する持木邸。ローソファや床置きのポスターが視点を下げ空間をより広く感じさせている。 もともと家具や雑貨は好きだったが、賃貸住まいではできることが限られている。「リノベをして好きに造り込めたら楽しいだろうなと思った」ことがきっかけで、築43年のマンションを購入した。壁を取り払って広いLDKとし、一角にはガラス張りのワークスペースを設けた。リモートワークでほぼ1日を家で過ごすからこそ、機能的なデスクと開放感のあるリビングが、オンオフの切り替えに果たす役割は大きい。「19時を過ぎたらいったんビジネスアワーを終わりにして料理をしたり、ソファで飲みながらくつろぐのが楽しみです」と語る。 気に入った店の包装紙にテクスチャーをつけた額装、ニューヨークの個展で購入したポスターなど、ヴィンテージ空間に、独自のインテリアセンスが映える持木邸。今後はベランダをウッドパネルやガーデンチェアで居心地よく造り込んでいく予定だ。
01 室内窓越しに光が届くLDK内のワークルーム
LDKの一角に設けたワークスペース。出入り口を広く取り室内窓で仕切っているため閉塞感がない。板張りの天井やルーバードアの収納など落ち着きのある木の色合いが、空間を温かくまとめている。
02 ニュアンスカラーのタイルをアクセントに
ニュアンスカラーのサブウェイタイルやむき出しのダクトがいい表情を生んでいるキッチン。新しいシステムキッチンが入っていたため、面材を貼りカウンターを立ち上げて部屋に合うテイストにした。カウンター前に置いているのは〈ヘイ〉のバースツール。ブラックオークの座面がアクセントになっている。