杉本彩「家族からの呪縛」に苦しんだ過去「血のつながりというのは、本当に関係ない」に至った現在
女優の杉本彩(56)が17日放送のNHK・Eテレ「ハートネットTV」(月~水曜後8・00)に出演し、「30年以上にもわたって家族という呪縛にがんじがらめになって生きてきた」と明かした。 【写真あり】56歳でボンテージ姿を披露する杉本彩 京都の祇園で誕生した杉本は、服飾関係の仕事をする両親、妹、祖母と5人暮らしだったは、中学生の頃に父親の友人が借金を抱えたまま失踪。連帯保証人となっていた父は、多額の借金を背負うことになり、自宅を明け渡さなければならなくなったという。 高校受験を控えていたが、進学費用もままならなくなり、さらに杉本にとってつらかったのが、日々激しくなる両親のケンカだったという。その後、両親は離婚。母は恋人と一緒に住み始め、杉本は妹と2人で母親の恋人が借りたアパートで暮らした。 その後、高校入学を前に、着物のモデルのアルバイトを始め、高校を中退。19歳で水着のキャンペーンモデルとして本格的芸能界デビュー。23歳で音楽プロデューサーと結婚したが、10年で離婚した。 杉本は「結婚したからには絶対に失敗したくない。両親のようになりたくない。立派な結婚生活を築かねば」という強迫観念にかられ、理想に近づこうとして無理を重ねたと振り返った。 結婚について「絶対的に信頼関係を築きたい、愛されたい、愛したいという気持ちは人一倍強くて…それゆえに凄くいろんなことが空回りして、自分が苦しんでいるところはあった。家族からの呪縛って言うんですか…。家族はこうあるいべきだ、こうすべきだ、結婚生活はこうあるいべきだと完璧主義、融通が利かない…。そういうところで非常に23で結婚した夫を苦しめたという部分があったかもしれないし、同時に私自身もその呪縛にずっと苦しんでいたなと振り返れば思います」としみじみと語った。 その原因を杉本は「心の渇き。私は愛に飢えていたのではないかと思います」と明かし「心から安心して安らげる場所がなかったなと思うんですよね。常に何かに気を使い、必ず何かを我慢し、自分をコントロールしながら生きてきた。ずっとそういう生き方をしていたから、心から信頼して安らぐ場所がなかった。今思えば、私の行動、全ての物の考え方の全ての根底にそれがあるんじゃないかと自己分析しています」。 母、妹ともすれ違いが続き、今では「血のつながりというのは、本当に関係ないなと思います。心から信頼し合える仲間こそが本当の家族なんだなっていうふうに…これを気づけたというのが、私にとってとても大きな出来事で。本当に血のつながった家族から得られるものは少なかったかもしれないけれど、私はその分多くの志を共にする仲間と多くのことを共有できているというのは本当にありがたいし、それこそが家族なんじゃないかなと思います」と語った。 現在は再婚もし、一方で動物愛護の団体も設立して活動をしている。杉本はそのきっかけも、人になつかない保護犬を見た時に「人に心を開かなくて、何かトラウマ抱えているんだろうなということが見てすぐに分かるという感じで。それが、まるで自分をんみているかのようなシンパシーだった」とし「動物を救う活動は、同時に自分を救っているような、そういう意味合いだと考えたことがあります」と柔らかな表情で思いを吐露していた。