「便の表面の血」 すぐに大腸カメラ検査を受けないとダメ? これって血便!?
大腸カメラは何科で受けられる? 検査内容や事前準備を医師に聞く
編集部: 大腸カメラの検査を受けるには、消化器内科を受診すれば良いのでしょうか? 小田木先生: そうですね。消化器内科のほかには肛門科、内視鏡専門クリニックなどでも受けることができます。 編集部: 大腸カメラはどのように行うのですか? 小田木先生: 肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸全域の粘膜を直接観察する検査です。その場で止血したり、ポリープを切除したりすることもでき、また、病変や炎症が起きていないかなどを詳しく確認することもできます。 編集部: 検査を受けるにあたり、事前に準備することはありますか? 小田木先生: 検査の前日は夜8時以降絶食となり、就寝前に医療機関から指定された下剤を内服します。検査当日も食事を取らず、自宅または院内で下剤を飲んで腸内をきれいにします。便の状態がほぼ水になったら検査をスタート。検査にかかる時間は約15~20分が目安です。 編集部: 痛みや苦痛が心配です。 小田木先生: 医療機関によっては、鎮静剤を使用することもできます。その場合には、注射用の針を腕の血管に留置して鎮静剤を投与します。 検査後は当日、または後日に医師より検査結果の説明があり、検査の際に病理組織やポリープを切除した場合には、病理検査の結果もお話しします。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小田木先生: 「血便が出た場合には大腸カメラの検査が必要」とはわかっていても、「大腸カメラは怖い」「苦しい」「痛い」などの先入観がある方も多いと思います。 また、「仕事が忙しくて検査を受けに行く時間がない」という方もいるでしょうし、特に女性の方は「恥ずかしい」という理由で抵抗感を覚えることもあると思います。 しかし医療機関によっては、土日や夜間に検査を行なっているところもありますし、女性の医師が対応してくれるところもあります。また、検査が午前中に終われば午後から通常通り出社できます。 それから、鎮静剤を使えば苦痛なく検査を受けることができますし、下剤の種類を豊富に用意している医療機関であれば、飲みやすいものを選択することもできます。 特に近年では、大腸がんやポリープを発症する人が低年齢化していることもあり、「若いから大丈夫」などと油断せず、血便をはじめ、便通異常が見られたら必ず大腸カメラの検査を受けていただきたいと思います。