アジアプレス・石丸次郎大阪代表による北朝鮮の現状(全文3/完・質疑応答)
国境が以前よりもオープンではなくなってきている
通訳:かなり変わったりすることはありますでしょうか。 通訳:国境のほうがまず以前よりもオープンではなくなってきているということがあると思うんです。中国側もかなり規制しているというふうに聞いているんですけれども、その情報を得るというのが以前より難しくなっているんでしょうか。それと、例えばお金を払えば同じようにできるのかについて教えてください。 石丸:北朝鮮内部にいる私たちのパートナーたちですけれども、新しい人も参加してますし、前からやってる人も続けてる人がいます。ただ、金正恩政権になって国内の人民統制が極めて厳しくなりました。そのために、この国境沿いではなくてもう少し南のほうに住んでいる人たちですね。この人たちが国境近くまできて私たちに電話を今までずっとしてくれてたんですが、あるいは秘密裏に川を越えて中国に密出国をして私たちは会ってきました。これが非常に難しくなっています。大きな支障を受けているのは事実です。 国境警備ですけれども、中国側が極めて厳しい警備を今、しています。なかなか北朝鮮と中国、わいろを払って自由に行き来するというような状況では、もう今ではなくなってしまいました。私たちも大きな支障を受けていますけれども、幸い、携帯電話、スマートフォンを入れたもので、だいたい月に10回から15回ぐらい、通話はできるようになっています。スマートフォンで本当に助かっています。
通話記録を傍聴されることはないのか?
記者2:準会員のホンジョウと言います。さっきの通話記録、あれを聞いておって、ずいぶん自由にものを言ってるなっていう感じがしたんですけども、ああいうのを例えば傍聴されて、捕まって強制収容所に入れられちゃうとか、そういうリスクってかなり高いんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょう。 石丸:私たちのように中国の携帯電話で内部の人とコミュニケーションをするということを、金正恩さんは本当に嫌がっているようです。この国境住民に対する中国の携帯電話使用に対して、非常に厳しい処罰を今、下しています。私たちも非常に気を付けていますが、盗聴というのは北朝鮮国内の携帯電話は今はもう300万台を超える、すごい普及しました。これは基本的に全部聞かれているという前提で皆さんお話になりますが、中国の携帯電話に関しては、これはそう簡単ではないというのが北朝鮮国内の人たちの、特に国境住民にとっての非常に常識と言いますか。だから、こわごわですけれどもかなり大胆なことを皆さん言ってくれます。 (完)