ミズダコ特化の展示施設が3月オープンへ 福井県の越前松島水族館、タコに触れられる「体感」売り
福井県坂井市の越前松島水族館にミズダコに特化した国内初の展示施設「みずだこ館」が3月7日オープンする。同16日の北陸新幹線県内開業と水族館開館65周年の記念事業。内部壁面にトリックアートの手法で巨大なタコが描かれ、ミズダコに直に触れることもできる“体感”が売りとなる。 ミズダコは世界最大級のタコで、大きいものでは体長3メートル、体重20キロを超える。マダコに比べ水っぽく軟らかい体で、広く食用とされている。同水族館によると、日本では北陸以北に生息。ふ化後の飼育が難しく、半年以上の人工繁殖の成功例は世界でもないという。 みずだこ館は、木造平屋建て、延べ床面積176・82平方メートル。客の目の前に巨大タコが壁を壊して現れたようたような絵や造形を配置。地面をはうように延びる足の造形物に水槽6基を配置。親ダコ8匹、稚ダコ数十匹を公開予定。親ダコは三国など近隣の海で漁の仕掛けに入った個体で、稚ダコは親が抱えた卵をふ化させたもの。 ガラス越しに卵を守る親ダコが見えるほか、触れ合いコーナーでは、吸盤や軟体特有のブヨブヨ感触を触って確かめられる。 同館では30年以上、ミズダコのふ化、飼育に取り組んでいるが、稚ダコ飼育の最長記録は半年という。新館開館で、さらに研究に力を入れる予定。飼育するバックヤードも見ることができる。 松原亮一館長は「ミズダコは福井の重要な水産資源。地域の自然や環境を、見て触れて、楽しく学んでほしい」と話している。 ミズダコ館は、同水族館の入館料(大人2200円、小中学生1200円)で見学できる。
福井新聞社