『龍が如く8外伝 パイレーツ イン ハワイ』東京ゲームショウ2024体験版レビュー。“狂犬”と“パイレーツ”それぞれのアクションの爽快感や、プレイスポットをチェック!
2024年9月20日に配信番組“RGG SUMMIT 2024”( RGGサミット2024)にて発表された『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』(パイレーツ イン ハワイ)。発売は2025年2月28日予定だが、それに先駆け、9月26~29日に開催される東京ゲームショウ2024のセガブースでは同作の体験版が試遊可能となっている(26日、27日はビジネスデイ)。 【記事の画像(31枚)を見る】 本稿では、そのイベント体験版をいち早く体験した筆者が、同作の率直な感想や製品版に対する予想などを書き連ねていく。試遊すらも完全にネタバレなしで遊びたいという方は、プレイ後にご覧いただければ幸いだ。逆に体験版を遊び尽くすためにしっかりチェックしたい人は、YouTubeのファミ通TUBEチャンネルで体験版のプレイ動画を公開しているので、そちらもぜひ確認してほしい。 真島が海賊!? 読めなかったけれど、妙に納得 本作の発表を見たときの印象を正直に述べるなら、「おもしろそう」より先に「そう来たか!」というものだったし、あまりの設定に思わずゲラゲラ笑ってしまった。主人公はシリーズでも人気の真島吾朗。そりゃ、眼帯にヒゲ面だし、シュッとした顔で居続けるなら世界的な某海賊映画の主人公と似ていなくもないけれど……。「あえてそこに着地させますか!?」みたいな。 ※写真はRGG SUMMIT 2024の映像より かつて本作のプロデューサーを務めている堀井亮佑氏と筆者が雑談していた際に、「何をやったらビックリしてもらえますかねえ? 宇宙にでも飛ばすかなあ?」(堀井氏)、「サテライトレーザーを使う技があるくらいですからねぇ。何が来てもアリに思えちゃいますよ」(筆者)なんて冗談交じりに話していたことを思い出す。龍が如くスタジオなら、それくらいのブッ飛んだ設定が物語に差し込まれることはあり得ただろう。 「『龍が如く8』で広大なハワイを作ったし、またハワイを使う作品が出るかもしれないな」とは思っていたが……。まさか、真島が海賊姿で冒険に出るという設定をメインに据えたタイトルが出るなんて、まったくの予想外! 堀井さん、ちゃんとビックリしましたよ! もちろん、インパクトは凄まじいものの、単なる出オチ的作品にならないということは、過去の龍が如くスタジオの実績から見ても確実。今回、いち早く東京ゲームショウ2024のイベント体験版に触れる機会に恵まれたが、そこから醸される雰囲気からしても、楽しそうなタイトルになるだろうという“ワクワク感”や“間違いのなさ”は感じられた。本稿では、そんな部分をいくつかのトピックに分け、ご紹介していきたいと思う。 バトルは“空中”とふたつのスタイルの使いかたがカギになる!? 本作のバトルは基本的には、従前の『龍が如く』や『龍が如く7外伝 名を消した男』などで楽しめたアクションとなっている。ただし、RGG SUMMIT 2024で堀井氏が述べていたように、素早い真島のバトルスタイルを考慮してか、能動的にジャンプができるようになったのがこれまでの『龍が如く』シリーズとの大きな違い。 いつものようにあまり考えないで操作しても、自動的に敵を打ち上げ、空中でコンボをキメられるようになっている。これがかなり痛快! 敵を打ち上げるような技は単発でも発動可能なので、独自の空中コンボ、ないしはバウンドコンボなどを探す楽しみもありそうだ。 空中でのコンボ中は、周囲からの攻撃を受けづらいので、比較的安全に戦えそう。一石二鳥? ジャンプで敵の攻撃を回避する、ということもできるようになった。 また、真島には”狂犬”と”パイレーツ”というふたつのスタイルがあり、瞬時にスタイルチェンジが可能。当然、それぞれが特徴的に味付けされており、狂犬はドスを主体とした素早い攻撃方法。どちらかと言えば対強敵に向いているような印象を持った。 この狂犬スタイルでは、過去のシリーズで真島が敵のときに使っていた分身を使うことが可能。分身は放っておいても勝手に敵を攻撃してくれるので、“とりあえず出しておけばOK”感が強く、アクションが苦手な方にもやさしい作りになっているように思えた。 分身は、時間経過やヒートアクションの使用で蓄積される狂気ゲージが満タンになると使用可能になる。強敵相手の場合は、どのタイミングで使うかも大事? 今回は“STANDARD”という難易度でプレイしたが、“アクションアシストモード”なら、ボタンを連打しているだけで勝手に適切なアクションをくり出して戦ってくれる。アクションが得意でない方はこちらで遊ぶといいかも。 なお、特定の技を発動すれば、分身と協力するような形で任意の敵を攻撃することもできる。本作では1戦ごとに出現する敵の数が多そうなので、ザコは分身に任せ、本体で強敵と戦うという戦いかたがよさそうな気もした。 分身中にチャージ攻撃を放つと、特殊な分身攻撃を発動可能。たとえばこの技なら、本体の周囲を一定時間分身がグルグル回転してくれるので、敵の多い場所や強敵に向かって突っ込んでいくときによさそう。 狂犬スタイルには、一定距離を瞬時に移動しながら攻撃するという技もある。回避手段としても使えるし、敵との間合いを詰める手段としても使えそうだ。 狂犬と対をなすスタイルがパイレーツ。カトラスやチャージガンなど、海賊が使いそうな道具を使って戦うことになる。メイン武器のカトラスは任意のタイミングでブン投げることも可能(カトラスブーメラン)。投げられたカトラスはしばらくその場に留まって付近の敵を切り刻んでくれるので、近距離のみならず中距離の敵に対しても効果的な攻撃手段となっている。 カトラスブーメランを放った後は、攻撃手段が拳になる。カトラスが手元に戻ってくるまで攻撃できないということはないので、ご安心を。 また、ワイヤーフックという道具を使えば、カトラスでトドメを刺しきれなかった中距離の敵などに一瞬で接近することができる。イベント体験版のわずかな時間ではうまく使いこなすまでにはいたらなかったが、使いこなせればかなり楽しく、強くなれそうな気配がした。 ワイヤーフックで敵を捕らえた場合、接近と同時に攻撃をくり出す。ザコの場合はその攻撃で吹き飛んでくれたため、移動直後の隙も気にせず戦えそうだ。 さらに、パイレーツスタイルではチャージガンという飛び道具も使用できる。その名の通り、銃をブッ放す技で、遠距離攻撃に特化している技という印象を持った。イベント体験版でバトルをしたマッドランティスという敵の拠点は、細い道がたくさんあるエリア。そういった左右に避けづらい場所に敵を追い込み、チャージガンで安全に敵を倒すということもできるようになっている。 発射までには一定のチャージ時間が必要になるため、隙は大きい。敵に近付かれない距離感で使うのがよさそうだ。 ほかにも、真島のスピーディーな動きに合ったバトルの調整が行われている様子。エフェクトなども基本的に派手なので、これまでの『龍が如く』シリーズとは違った、バトルの感触が楽しめるはずだ。 そもそも通常攻撃が派手なうえ、ヒートアクションも真島の狂気っぷりが伝わるものになっている。記憶喪失だろうとなんだろうと、真島は真島なのです。 調整のひとつとして、本作ならではの親切設計も。敵から銃で攻撃される際に、真島の頭上にエフェクトが発生するようになっている。 このエフェクトが白→赤になった直後に敵が発砲し……。 回避せずに放置しているとそのまま撃たれてしまう。 “ネタ”では片付けられない、重めのストーリーになっている予感! 大きな変更点があったバトルから語ったが、『龍が如く』シリーズのキモとなるのがストーリー。当然ながら本作を「真島が海賊に!?」というキャッチーさだけで終わりにする龍が如くスタジオではないわけで。物語もそれ相応のものが用意されていることは確実視される。 RGG SUMMIT 2024の情報と今回の体験プレイでわかったことは、『龍が如く8』の外伝作品らしく、本作も『龍が如く8』で語られたシリアスな(核の)ゴミ問題が物語に関わってくるであろうこと。それは、船の墓場であるマッドランティスという場所が海賊たちの拠点になっている点からも何となく伝わってくる。つまり、真島は海賊姿だし、バトルは派手でテンションも高めだけれど、物語はしっかり重厚なのだ、と推測した。 もともとマッドランティスは、沈没寸前の巨大タンカーが漂着した洞窟だった場所。そこがやがて船の墓場となり、海賊どもの巣窟となったらしい。 そして、マッドランティスを支配している女性(演じているのは、声を聞く限りおそらく朴璐美さん)の存在も確認。記憶を失った真島とどう絡んでくるのかも気になるところだ。立ち位置的にも、重要人物であることは間違いないはずなので……。 なお、横山昌義氏のインタビューによると、同一声優が演じているからといってメタ的な要素はないそう。なので、この女性が『龍が如く5 夢、叶えし者』に登場した真島と縁深い朴美麗と関係している……みたいな深読みはしなくてよさそうだ。 すでに発表されているキャストとして、元東城会の志垣輝彦(演:青木崇高)やパレカナの信徒であるロドリゲス(演:谷田歩)、海賊団の船長モーティマー(演:大東駿介)など、敵か味方かはわからないが、各組織の重要人物である人間たちもいる。となると、彼らの所属する組織の思惑が入り乱れるようなストーリー展開になるのではないか、と筆者は推測する。 左から、元東城会直系志垣組組長、志垣輝彦。教団パレカナの信徒、ロドリゲス。モーティマー海賊団団長、モーティマー。 さらに言えば、本作は外伝なので、ナンバリング作よりもコンパクトなストーリーになることも確定している。その中でこれだけ異なる人物の思惑がぶつかるうえ、真島が記憶喪失になった原因などもおそらく描かれるわけで……。きっと『龍が如く』シリーズらしい、二転三転するワクワクのストーリーになるに違いない。物語を考察する時間(絶対に当たらないけれど)も含め、いまから本作のストーリー展開が楽しみだ。 早く触れたい遊びの要素! ミナト区系女子とか船上の白兵戦(!?)とか 『龍が如く』シリーズと言えば、デタラメに豊富な遊びが用意されていることも重要なお約束。プレイヤーによっては、「むしろそっちが本命!」という方もいるだろう。そんな方のため、イベント体験版にもカラオケやクレイジーデリバリーなどの要素が収録されている。バトルをサクッと終わらせたら、そちらに軸足をかけて遊ぶことも可能だ。 チュートリアルを終えた後、イベント体験版で体験できる要素はこちら。筆者は残念ながら、カラオケとコーディネートに触れる前にタイムアップとなってしまった……。 今回触れられたものだけ言及しておくと、クレイジーデリバリーとドラゴンカートは、それぞれ『龍が如く8』と『龍が如く7 光と闇の行方』に収録されていたときの手触りとほぼ同等。ただし、コースは新規のものだし、ドラゴンカートに関しては景観もハワイに変わっているので、少しプレイ時の印象が異なるかもしれない。 真島の配達員姿が見どころのクレイジーデリバリー。アナコンダショッピングモールの中も走破できるようになった。 ハワイの海岸を激走するドラゴンカート。敵を攻撃してダメージを与えることも、上位を狙うには必須の技術だ。 カラオケはきっと真島の新曲が収録されているだろうし、コーディネートもオシャレアイテムが豊富に用意されていることだろう。海賊姿にとらわれず、自分好みの真島の姿で冒険するという楽しみもあるはずだ。 また、実際に体験はできなかったものの “パイレーツコロシアム”という、バトルコンテンツと思われるものが収録されることも判明。イベント体験版のメッセージを読む限り、どうやら集団vs集団の戦いになりそうだ。 コロシアムというからには、バトルコンテンツなのは間違いないだろう。 仲間と共に海賊たちの頂点を目指すということは……!? ※写真はRGG SUMMIT 2024の映像より ※写真はRGG SUMMIT 2024の映像より。こちらの映像には、仲間とともに船上で戦うシーンも収録されていた。集団戦だとするなら、こういう形式かも? そして体験版のプレイ範囲以外のものとして、個人的にマックス注目している遊びの要素が、真島率いるゴロー丸のクルーになるマサルと、ミナト区系女子が遊ぶという"Masaru's LOVE JOURNEY"。いわゆる、恋愛リアリティ番組的なノリの遊びが楽しめると思われる本作の新要素だ。さすがにイベント体験版には収録されていなかったので、どのような遊びになるのかまだわからないが、マサルを演じている秋山竜次氏のコントセンスが炸裂した、これまでにない遊びになるのではないかと予測している。 ※写真はRGG SUMMIT 2024の映像より。目的は、ミナト区系女子たちと仲よくなっていくこと。その結果か、あるいは過程で、このようなシーンが観られるのだろうか。 もちろん、遊びの要素が上記で紹介したものだけに留まるわけがなく。ハワイがほぼそのまま収録されているとするなら、『龍が如く8』で遊べたものの多くが遊べる可能性もあるだろう。 イベント体験版のレビューにかこつけて、いろいろと予想なども語らせてもらったが、いまのところワクワク感しかない本作。きっとファンの皆さんも触れればこのワクワクが伝わるはずなので、ぜひイベント体験版をプレイした方はSNSなどでご意見を発信していただきたい(筆者も気になるので)。