関西電力送配電『変圧器のPCB』国の基準値超え 20年以上にわたり把握も「隠ぺい」指示 国や大阪府には2018年に初発覚と報告 問題受け取締役が辞任
関西電力送配電は、電柱の上部に取り付けられている「柱上変圧器」に関して、「低濃度」PCB(ポリ塩化ビフェニル)の数値が基準値を超過していたことを把握していたにもかかわらず、2018年に初めて発覚したと国や大阪府に偽った報告をしていたことがわかったと発表しました。 関西電力送配電によりますと、電柱の上に取り付けられている「柱上変圧器」についてはPCB特措法などを踏まえ、2026年度末に向け処理が進められています。関西電力送配電では、1990年以降、PCBを含む柱上変圧器について、「除染修理した変圧器を再使用」する形で、計画的に取り替えを実施していました。 その後、2018年に発生した台風21号の影響で倒壊した電柱に設置の変圧器から漏れ出た油を分析したところ、「低濃度」PCBが基準値を超過していることが発覚し、国や大阪府に報告をしていました。 しかし、2023年に11月、社外相談窓口に当時の対応についてコンプライアンス上問題があるとする相談があったということです。それを受けて、弁護士による調査などを行ったところ、1998年ごろから修理再使用した変圧器の一部に国が定める低濃度PCB基準値を超過するものがあったことを把握していたにもかかわらず、調査などの適切な対応を行っていなかったことが分かったということです。 さらにこうした状況を把握していたにもかかわらず、2019年に国や大阪府に報告する際、当時の理事が隠ぺいするよう指示していたということです。 今回の問題を受けて、関西電力送配電では当時、隠蔽を指示していた現在の副社長は10月1日付で取締役・執行役員を辞任したということです。