新潟などで鳥インフルエンザ 長野県が感染防止へ警戒態勢
新潟県と青森県の鶏や食用アヒルから鳥インフルエンザウイルスが確認され、新潟県は29日午後から12月2日までの予定で県職員と自衛隊員延べ3000人による殺処分などの防疫態勢に入りました。殺処分は鶏31万羽に上る見込み。発生県の隣接自治体なども同日、防疫・警戒態勢に入りました。 【画像】MERS、エボラ、デング熱も 「人獣共通感染症」ってどんな病気?どう防ぐ?
新潟は養鶏、青森はアヒル
新潟県に接する長野県は同日、対策会議を開いて全県に感染防止などを呼びかけました。ウイルスはいずれも感染した鶏、アヒル、キジなどの家禽(かきん)が死ぬなど病原性が高い「高病原性鳥インフルエンザ」と見られ、自治体は状況次第でさらに強い防疫・警戒態勢を取る方針です。 鳥インフルエンザウイルスが確認されたのは、新潟県関川村の養鶏場と青森県青森市のアヒル(フランス鴨)を飼う施設。飼育数は養鶏場の採卵鶏が約31万羽、アヒルは1万6500羽。 農水省によると、新潟県と青森県の感染例は遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜であると確認。いずれも家禽などの移動を自粛しています。 高病原性鳥インフルエンザは11月中に秋田、鹿児島、鳥取、岩手の各県で野鳥からもウイルスが19例確認されており、家禽への感染のおそれから警戒態勢が取られていました。
農家らに注意喚起呼び掛け
長野県は29日、鳥インフルエンザ対策の庁内連絡会議で、▽鶏などの家禽を100羽以上飼育する農家など105戸、飼育数150万羽について一斉通知システムで注意を呼び掛ける、▽1羽以上を飼う県内全域の農家など1036戸に郵送などで注意喚起する――などの対策を決めました。 県はさらに発生県の情報収集なども進め、近隣県で被害が拡大する場合は対策本部を設けて本格的な感染防止対策を進める方針です。 農水省によると、国内ではこれまでに家禽の肉や卵を食べて鳥インフルエンザに人が感染した例は報告されていません。 高病原性鳥インフルエンザは2014(平成26)年以降、東南アジア、韓国、台湾、中国などアジア各地で相次ぎ発生しています。韓国では今年11月以降、京畿道、忠清北道、忠清南道、全羅南道など8地域で高病原性鳥インフルエンザの発生があり、家禽での確認はアヒル28件、鶏4件の合わせて32件となっています。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説